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  • 出身同じ人いるか分からないけど実はヴィーナスブレドレイジングのコラボからこっち始めたんだよね、まさかこんな終わり方になるとは思わんかった -- 2023-02-27 (月) 20:10:45
    • コラボ開始という部分は同じ、こっちはXOだけど。 -- 2023-02-27 (月) 23:54:07
  • 久々にログインしようと思って開こうとしたらゲーム一覧にないから何があったのかと思って公式ツイッター見ても何もないからここに来たら今日の16時にサ終了してたとは・・・楽しかったよお疲れさん。 -- 2023-02-27 (月) 20:16:30
  • I氏のTwitterで終了を今知ったよ、残念。 -- 2023-02-27 (月) 20:24:51
  • 公式ツイッターでサービス終了告知もサービス終了の挨拶も何もないのはなー 臨時メンテのお知らせは出せるんだから定型文投稿くらいすればいいのに -- 2023-02-27 (月) 21:35:32
  • いつものルーティーンで遠征回収しようとしてなくて終わっちゃったんだって再確認。寂しいな -- 2023-02-27 (月) 22:24:44
  • 贈り物系以外のほぼ全シナリオのテキストとBGMと主題歌のフル、あとはお気に入り数名の寝室動画&4コマや人気投票SSなど&以前ここで公開された相関図。 どうにか残せたこれらと思い出さえあれば、俺はいつだってあの空に戻ることができる……はず(;ω;) -- 2023-02-28 (火) 17:25:24
  • ソラカナがエロブラゲやるきっかけだったなぁ。新しいゲーム探してて偶然このwiki見てキャラの設定がやたら重くて濃いゲームだなあって気になってはじめてどんどんハマってった。ソラカナの世界を生み出してくれた御三方とこの作品に出会わせてくれたみんなへ。楽しい時間をありがとう。そしてお疲れ様でした。 -- 2023-02-28 (火) 21:26:18
  • シナリオとライターは超重要ってのを今までで一番思い知ったというか、ソシャゲの宿命とはいえ寂静都市、元老院周りの話の結末まで見届けたかったなぁ。コアなファンが多かった印象だし神様放送局の最終回はありがたかった -- 2023-03-01 (水) 07:58:06
  • クレオラボの公式サイトはあるんで要望ある人は出すだけ出しておこうな -- 2023-03-02 (木) 09:57:06
  • 今更ですがセシル・アーシャイムのページを作って☆3~5のわかるところだけ埋めました。
    ご褒美のアップルパイ(ヤマ●キパン110円)おいしいです -- 2023-03-04 (土) 00:31:37
  • サ終からもう1週間経ったのについつい雑談スレを見に来てしまったお前!
    せっかくだから好きだった台詞のひとつも記念に残していってくれよな! -- 2023-03-06 (月) 17:59:15
    • ちなみに俺は"よていされたすべてのふこうをだいなしにしてやる" -- 2023-03-06 (月) 18:00:42
    • 「あ、ツンデレ終わりましたか?」 -- 2023-03-06 (月) 20:35:22
    • タラッタタラッタフンフンフーン -- 2023-03-07 (火) 22:03:07
    • 「えいっ♪」(鳳凰INこけっぴーの準備) -- 2023-03-08 (水) 00:34:10
    • 「……あ、いえ、違います。とっても威厳があります。 角、かっこいい」 -- 2023-03-08 (水) 05:43:42
    • 『生物兵器と……この子を憐れんだ自分を恥じた。
       私の目の前にいるのは、可哀そうな少女ではなく、未来の英雄だった。』
      (『吟ずる明日に架ける橋』より) -- 2023-03-13 (月) 01:45:28
    • 「49A39BDBE9E ≪おかえりなさい≫ 辛く苦しい“人生の続き”へようこそ」 -- 2023-03-13 (月) 18:32:38
    • 公式でサ終通知なしかーい!
      最後まで締まらない終わり方したなあ・・・残念 -- 2023-03-15 (水) 22:31:18
  • 「お前らっていちいち水を差さないと息が出来ないのか?」 -- 2023-03-07 (火) 07:57:43
    • ↑木ミス -- 2023-03-07 (火) 07:58:19
  • LB・LS・キャラ紹介欄くらいしか埋まってないけど『檜隈 ひなた』のページ作成。
    これで全キャラのページだけは作成完了かな? -- 2023-03-17 (金) 00:10:41
  • テスト投稿。

●神亡き世界の叛乱 1

??? ルキフォゲ・ロフォカレの星々よ。 “光をもたらす者”の血と肉で出来た大地よ。
??? 偉大なるBa’alよ。
??? わらわの民を祝福しておくれ。 侵略者への備えを……か弱き民に戦う力を――。
サタナキアの地は、一柱の神と天使によって 成り立つ世界だった。
この世界に生きるすべての生物は、 主神Ba’alの力を分配されて生まれてくる。
Ba’alの寵愛を深く受けた者は人の身を越えた力を持ち、 それらは貴族となって、人を治めていた。
??? しかし、もう百年以上前のことじゃったか…… Ba’alよ、おぬしは“侵略者に備えろ”と天使に命じた。
??? 異世界の神の悲鳴を聴いたおぬしの命に応えるため、 わらわたちは天使でありながら人の王となった。
??? 生き物が死ぬとき、それらに分配されていた神の力は 神界に住まうBa’alへと返還される。
??? 天使は信仰心を競い合う戦争を通して民の宿す力を育み、 死後に神へ力を返還させようと、各々の国で武器を取った。
??? Ba’alが世界に与えすぎた力を取り戻せば、 いかような侵略者が訪れようと負けはせぬと――。
??? そう、思ったのじゃがなぁ……。
??? 同胞たちよ……すまぬ。わらわは、使命を果たせなかった。 わらわはBa’alと民に甘すぎたのだ。
??? 戦争で死にゆく民の姿に涙するBa’alを見て、 侵略者との闘争に備えるよりも、慈悲が勝った。
??? Ba’alは返還された力を受け取らず、わらわはそれを 弱き民に与え、人間が侵略者から身を守る力とした。
??? 他の王族からは非難を受けたが、Ba’al…… おぬしが笑うのなら、それでもよいと思ったのだ。
??? たとえどのような敵が来ようと、Ba’alから生まれた 天使であるわらわが護ってみせよう。
??? そんな誓いと共に、武器を取った。
??? ――その結果が、この敗北じゃ。
??? 「だからな、リモン――もうよい」
リモン・リリトゥ=パイロン 「よくないわよ……なにも……っ!」
??? 「――――ッ!!」
リモン・リリトゥ=パイロン 「ぐっ……ぁ……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「はぁ……はぁ……」
??? 「よいのじゃ……リモン」
リモン・リリトゥ=パイロン 「よくないって、言ってるでしょお!?」
??? 「――――ッ!!」
リモン・リリトゥ=パイロン 「――く、ぁ……ぁ……こひゅ……こひゅぅ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「――これは、私の最期の仕事……磔刑の前に、 封印を解くの……私は……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「――私は今こそ、世界を救ってみせる」
リモン・リリトゥ=パイロン 「天使の加護を再び……侵略者の、鎖を……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「――アザエル様」
リモン・リリトゥ=パイロン 「……――」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「阿呆が……今更、鎖ひとつ減らして何になる」
??? 「――――ッ!!」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「暴れるな――リモンはやらせぬよ」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「愚かなわらわの影武者よ……生きておくれ。 もう、サタナキアの歴史は終わったのじゃ」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「敗北者は敗北者らしく……な?」
………………。
…………。
……。
日紋 マルコ 「――主様、ご足労頂き恐縮です」
アルカ 「マルコ……何があったんだ?」
メル・ムル・フュール 「あっ、ダーリン」
エル・ムル・フュール 「やっほーです、ダーリンくん」
ララ・ラプラス 「おとーさんが来たみたいです」
アルカ 「……開放都市の奴らが揃ってるな」
アルカ 「此処に呼び出したってことは、ゲートを開くんだろ? 開放都市に用事でもあるのか?」
日紋 マルコ 「開放都市のとある地域で、大罪人の目撃情報が 上がりました。名は“リモン・リリトゥ=パイロン”」
日紋 マルコ 「サタナキア……開放都市の前身となる国での 彼女の地位は公爵にして前王“アザエル”の影武者」
日紋 マルコ 「私は、彼女と会わなければならないのです。 その為に、ゲートを錬成できる主様の力をお借りしたい」
アルカ 「……因縁があるんだな、そいつと」
日紋 マルコ 「えぇ――私を裏切り、タナトスに売り渡した張本人です」
アルカ 「――っ」
アルカ 「……会ってどうするつもりなんだ?」
日紋 マルコ 「それは――」
アルカ 「相棒……」
アルカ 「まったく、訳も聞かずにゲートを開くなんてな……」
日紋 マルコ 「あるじさま……」
日紋 マルコ 「……はい。Ba’alに誓い、復讐による私刑は行いません。 日紋マルコは、あるじさまの信頼に背きません」
日紋 マルコ 「――ありがとうございます。我が素晴らしき主様」
………………。
…………。
……。
アルカ 「ここは……」
ララ・ラプラス 「お墓がいっぱいあるようです」
エル・ムル・フュール 「移民集団アガリアレプトが、タナトスとの闘争で散った 英霊の為に作ったものです……しかし、これは……」
アルカ 「前に此処に来た時とはずいぶん雰囲気が違うな。 エナジーの密度が異常に濃い……」
??? 「くすくす――」
アルカ 「――ん?」
アルカ 「相棒、なんか女の子の笑い声が――」
タナトス 「――――ッ!!」
アルカ 「くっ、こんな所までタナトスが!」
タナトス 「――…………」
ララ・ラプラス 「今日のララは、おとーさんを護る槍みたいです。 マルちゃん……お任せするようです」
日紋 マルコ 「任されましたっ!」

神亡き世界の叛乱 2

??? 「リモン・リリトゥ=パイロン」
??? 「何故、今更サタナキアに戻ってきたの?」
??? 「神の命を執行できず、神を護れなかった…… 役立たずの王様の元で、何をしようとしているの?」
■■■・■■■の瞳 「…………」
??? 「無駄よ……あそこにはアレが居る。 いくらリモンでも、天使には歯が立たない」
??? 「Ba’al……貴女を殺した鉄屑のひとつがあるのよ」
■■■・■■■の瞳 「…………」
??? 「勝手に死んでくれる分には都合がいいけれど…… そうね、動向を探るべきだわ」
??? 「私の理想郷……ようやく足がかりが出来たのに、 馬鹿な女に台無しにされたら、たまったものではないもの」
タナトス 「…………」
日紋 マルコ  日紋 マルコ 「……これで最後ですね」
アルカ 「意外と数が少なかったな……偵察部隊だったのか?」
メル・ムル・フュール 「それはないと思うなーぁ……あれは遊撃部隊だよ」
アルカ 「メル、分かるのか?」
メル・ムル・フュール 「洗脳中に使ってたモノだからねーぇ」
メル・ムル・フュール 「この先にタナトスの本隊がいるはずだよ。 だから、進めば進むほどタナトスの数が増えると思う」
日紋 マルコ 「何かがこの先にいるのですね」
メル・ムル・フュール 「“あの人”かなぁー?」
日紋 マルコ 「考えても仕方がありません……行きましょう」

神亡き世界の叛乱 3

タナトスの残骸 「………………」
タナトスの残骸 「………………」
アルカ 「急にタナトスの残骸が増えてきやがった」
エル・ムル・フュール 「残骸からエナジーが漏れ出していますね…… 倒されてから、そんなに時間が経っていないようです」
アルカ 「誰かがここで戦ってたのか?」
ララ・ラプラス 「槍傷のようです……コレ、強いようですよ?」
日紋 マルコ 「ええ、それらを斃した者は強い。 ララ、貴女の力を借りると思います」
ララ・ラプラス 「……マルちゃん?」
日紋 マルコ 「――出て来なさい、居るのでしょう?」
??? 「……いらっしゃい」
アルカ 「高濃度エナジー体……お前、錬成術師なのか? いや、この反応は……嘘だろ……」
アルカ 「これは、錬成術じゃねぇ…… だとしたら、生身でこんな異常なエナジー出力を……?」
??? 「あらぁ? なんで、怯えた顔をするのかしらぁ? まずは、挨拶でしょう……くすくす、こんにちはぁ」
日紋 マルコ 「――相変わらずではありませんか、リモン」
リモン・リリトゥ=パイロン 「ええ、マルちゃんも相変わらず…… 真面目な時の貴女はとても美しいわ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「穏やかな時の可愛い貴女もみせてほしいけど……」
日紋 マルコ 「…………」
リモン・リリトゥ=パイロン 「そうよね……あぁ、その敵に向ける冷酷な目ぇ…… 向けられるのは二回目だけど……それすらも嬉しい」
リモン・リリトゥ=パイロン 「生きていてくれてありがとう、マルコシエス」
メル・ムル・フュール 「……リモン公爵」
リモン・リリトゥ=パイロン 「メル……あなたも来てくれていたのねぇ。 なんか、後ろの方には屠殺姫まで居るしぃ……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「うんうん、結構結構――粒ぞろいねぇ? マルちゃん……いい仲間を揃えてきてくれた」
アルカ 「エナジーが……こいつ、まだ出力を上げるのか!? 相棒、下がるぞ! こいつは、やばい!!」
リモン・リリトゥ=パイロン 「――くすっ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「それではぁ……“挨拶”をはじめちゃいましょっかぁ?」
日紋 マルコ 「メル! エル! あるじさまの傍に!」
リモン・リリトゥ=パイロン 「平気よ、彼には絶対に手を出さない…… それよりちゃんと、あなたたちの全力を見せて?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「――世界を救う力を」

神亡き世界の叛乱 4

リモン・リリトゥ=パイロン 「くすくす……こほっ……ぁ……これが、 英雄さんの力……なのねぇ……うふふ」
日紋 マルコ  日紋 マルコ 「リモン……貴女は、こんなものでしたか……?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「もうちょっと、強がるつもりだったんだけどねぇ……」
アルカ 「マルコ……待ってくれ、コイツ……」
アルカ 「エナジー体が剥がれるまで分からなかったけど…… 本体の生命活動が止まりかけてる」
アルカ 「たぶん、ワタシたちと戦う前から……」
日紋 マルコ 「…………」
リモン・リリトゥ=パイロン 「ふふっ、ちょっとだけ、殺すの待ってくれるぅ? 全部終わらせるつもりだったけど、失敗しちゃったの」
日紋 マルコ 「……私たちを迎える前に、何と戦っていたのですか? 貴女ほどの者がそこまでやられるとは」
リモン・リリトゥ=パイロン 「くすっ……無能な影武者だもの…… 買い被ったらだめよぉ……はは……けほっ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「あぁ……駄目ね、命が、もちそうにない…… 封印の鎖、あそこで引き受けたのは失敗だったわ……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「あのねぇ……英雄さん……お願いを、していいかしら あなたの力を……分けてくれない?」
アルカ 「お前、相棒のことを知って――」
ララ・ラプラス 「おとーさん……?」
ララ・ラプラス 「んぅ……ララは、大丈夫だと思うみたいです。 さっき、コレはララ達を殺す動きをしなかったようです」
ララ・ラプラス 「心の底から、ララたちに殺意を抱けていないようです。 コレ、今は敵にならないみたいですよ?」
日紋 マルコ 「あるじさま……行くのですか?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「ぁは……警戒とかしないのぉ?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「そう……屠殺姫の目を信じているのね――んっ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「――あぁ、素敵な力ね……手を繋ぐだけでわかる。 優しくて、暖かい……天使の加護に似て、非なるもの」
リモン・リリトゥ=パイロン 「……うん、死に至る傷は塞がったかなぁ。 くすくす……英雄さんって、すごいわねぇ?」
アルカ 「すげぇ……相棒から受け取ったエナジーで、 ボロボロだった身体を一瞬で回復しやがった……」
日紋 マルコ 「これで、落ち着いて話が出来そうですね」
リモン・リリトゥ=パイロン 「そうね……マルちゃん。あらためて――」
日紋 マルコ 「まずは一発、殴るだけで……話はそれからです。 傷は塞がりましたね?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「え……?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「――ぁ、こひゅ……こひゅ…… これ……久しぶりぃ……マルちゃんの腹パン……ぁ」
アルカ 「お、おい! マルコ!?」
日紋 マルコ 「あぁ、大丈夫ですよ。これは挨拶ですので」
アルカ 「そんな挨拶があるか!」
リモン・リリトゥ=パイロン 「はひゅ……こひゅう……んっ――」
リモン・リリトゥ=パイロン 「お腹、いたぁい……♪ マルちゃんのお仕置き……リモン、排卵しちゃう♪」
アルカ 「……は?」
日紋 マルコ 「はぁ……相変わらず気持ち悪いですね…… 追手の気配がします。リモン、貴女は休んでいてください」
リモン・リリトゥ=パイロン 「やぁん、マルちゃんやさしぃ♪」
アルカ 「……なんだ、これ」
アルカ 「なんなんだこれ」

神亡き世界の叛乱 5

日紋 マルコ 私たちの世界はタナトスに侵略され、滅ぼされました。
日紋 マルコ 主様、貴方が私たちの世界に訪れるずっと前……。 私の故郷が襲撃されたのは少なくとも三十年以上も昔のことです。
日紋 マルコ かつてサタナキアと呼ばれた地にて、私はタナトスと 戦いながら、敵と癒着した貴族たちに反抗していました。
日紋 マルコ 力ある貴族が民の命をタナトスに差し出し、 安全を保証されていたのです。
日紋 マルコ 忠義と粛清の担い手と呼ばれていた私は、 剣を取るより他ありませんでした。
日紋 マルコ 笑ってしまいそうになりますが、かつてこの身は “英雄”と呼ばれていたのですよ……しかし――。
日紋 マルコ 天上に築かれた強欲の都へ辿り着いた私の前に、 一人の女性が立ち塞がりました。
マルコシエス 「――何故、貴女が此処に居るのですか?」
日紋 マルコ 女性の名はリモン・リリトゥ=パイロン。 彼女は、私が魂の名を捧げた親友でした。
リモン・リリトゥ=パイロン 「遅かったわね……マルコシエス」
日紋 マルコ 彼女は先行した私の仲間たちを全滅させ、 一人、倒れ伏した戦士たちを見下ろしていました。
マルコシエス 「リモン、裏切りの徒は貴女だったのですね」
リモン・リリトゥ=パイロン 「そうよ」
マルコシエス 「仲間たちは……貴女が殺したのですか?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「いいえ、全員眠らせただけ」
マルコシエス 「目的はなんですか?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「言葉に意味はない――ただ、決意だけがあるの」
マルコシエス 「そうですか……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「ええ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「――マルコシエスの名と魂に命ずる」
マルコシエス 「リモン――貴女は気高い人だと思っていた」
リモン・リリトゥ=パイロン 「眠って……永き時を――」
マルコシエス 「――」
日紋 マルコ こうして、数年の時を要した出来損ないの英雄譚は 幕を下ろしました。
日紋 マルコ 主様が世界を救って下さるまで、私は眠り続けたのです。
日紋 マルコ リモン……何故、私を裏切ったのですか? 私たちは、共に民を愛す同士だったはずなのに――。
リモン・リリトゥ=パイロン 「るん、るん、るん♪ みんなー、ちゃんと着いてきてるぅ?」
日紋 マルコ 「…………」
メル・ムル・フュール 「リモンは相変わらずだねーぇ?」
エル・ムル・フュール 「姉さんも、裏切りの姫君と顔見知りなのですか?」
メル・ムル・フュール 「まぁねーぇ?」
メル・ムル・フュール 「というか、メルが鹵獲された後、赤ちゃんだった エルを保護してくれてたのはリモン公爵だよーぉ?」
エル・ムル・フュール 「……は?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「そーそー、リモンはエルちゃんのおしっこの穴まで 見たことあるわよぉ?」
エル・ムル・フュール 「キモいです……言い方がクソキモいです……」
メル・ムル・フュール 「ていうかー、マルちゃんのこと裏切ってたんだよね? メルもお腹殴っていーぃ?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「いいけどぉ……神様の加護がない今、 メルちゃん程度だと、腕の方が折れちゃうわよぉ?」
メル・ムル・フュール 「あはっ、相変わらずバケモノだねーぇ?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「そうねぇ……でも、この手は多くの民を救えなかった」
リモン・リリトゥ=パイロン 「……お父さんとお母さん、助けられなくてごめんね」
メル・ムル・フュール 「……ん」
リモン・リリトゥ=パイロン 「私の救えなかった命……メル、 また会えてとても嬉しいわ……生きていてくれて、ありがとう」
メル・ムル・フュール 「調子狂うなーぁ……最後に会った時と同じ。 マルちゃんを裏切ったなんて信じられない」
リモン・リリトゥ=パイロン 「…………」
日紋 マルコ 「…………」
アルカ 「相棒、お前はアイツらの事情、少しは知ってるか?」
アルカ 「あぁ……ワタシたちには、口が挟めねぇな」
アルカ 「この反応は――」
エル・ムル・フュール 「――皆さん、タナトスの気配が近づいています」
メル・ムル・フュール 「エル、ダーリンはメルたちで守るよーぉ?」
タナトス 「――――ッ!!」
アルカ 「……さっきより数が多いな。 みんな! 油断はするなよ!」

神亡き世界の叛乱 6

リモン・リリトゥ=パイロン 民がタナトスの洗脳によって眠りに就いてから、 この身は様々なものを裏切り続けてきた。
リモン・リリトゥ=パイロン 最愛の国を、世界を、民を、友を――
リモン・リリトゥ=パイロン マルコシエス……貴女のことすらも、裏切った。
リモン・リリトゥ=パイロン 弁解の余地はない、事実はひとつだけ。 リモン・リリトゥ=パイロンは唾棄すべき女。
リモン・リリトゥ=パイロン だから、ねぇ――。
リモン・リリトゥ=パイロン 裏切る前みたいに、友を見る目で私を見ないで。 マルコシエス、貴女は私を恨んでいいの。
リモン・リリトゥ=パイロン 私を磔刑に処して、石を投げてほしいのよ。
リモン・リリトゥ=パイロン その為に、私は貴女に会いに来たのだから――。
リモン・リリトゥ=パイロン 「うんうん、みんな強くなったわねぇ? エルちゃんがここまで戦えるのは嬉しい誤算だわぁ」
日紋 マルコ 「……リモン、いい加減説明してくれませんか? 私たちは何処に連れて行かれるのでしょうか」
リモン・リリトゥ=パイロン 「この先に、倒さなくてはいけない敵がいるの。 放っておいたら、この地に災いをもたらす存在……」
日紋 マルコ 「……貴女を殺しかけた者ですか」
リモン・リリトゥ=パイロン 「えぇ……しかもね、そこにいらっしゃるのよ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「アザエル様が――」
日紋 マルコ 「ッ!?」
メル・ムル・フュール 「……本当に?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「サタナキアの前王はまだ生きていて、封印されている。 私の人生最後の仕事は、彼女を解放する事よぉ」
アルカ 「アザエル……? 誰なんだ、そいつは」
ララ・ラプラス 「アザエルはサタナキアの王だったようです」
エル・ムル・フュール 「タナトスの襲撃時に民を護るために戦い、 果てたと聞いていますが……」
アルカ 「そいつが、生きてるっていうのか?」
エル・ムル・フュール 「あの女の狂言でなければ」
エル・ムル・フュール 「しかし、アザエル様が戦没したのは何十年も昔のこと。 タナトスに鹵獲されたという記録もありませんでした」
エル・ムル・フュール 「彼女の王政は八十年以上続いていましたし、 “調整”で成長を止められてたわけでもないなら……」
アルカ 「少なくとも成人してたろうし……百歳以上の おばあちゃん……?」
エル・ムル・フュール 「そうなりますね……平均寿命を大幅に上回っています。 よしんば生きていたとして、どうするつもりでしょうか」
アルカ 「リモンの目的が見えないな……とにかく、 今は着いて行くしかないか……」
エル・ムル・フュール 「安心してください、ダーリンくん。 あの女が何を企んでいても、私たちが必ず貴方を護ります」
アルカ 「あぁ、頼むぜ……“もしも”がなけりゃ、それが一番だけどな」

神亡き世界の叛乱 7

メル・ムル・フュール ムル伯爵の領地はサタナキアの中心地より外れた、 農業の豊かな土地にあった。
メル・ムル・フュール 他国との信仰戦争の被害が及びにくい立地にあり、 民は――たぶん、幸せに過ごせてたんじゃないかな?
メル・ムル・フュール 優しき領主は戦争に加担せず、 ただ傷ついた民の慰撫をする……臆病な貴族。
メル・ムル・フュール 刃は稲穂を刈り、人の空腹を満たすためだけに振るわれた。
メル・ムル・フュール 私の、失われた誇りの地――。
メル・ムル・フュール 他の王族は、ムルの家を軽んじていたけれど、 リモン、貴女だけは違ったね。
リモン・リリトゥ=パイロン 「メル――貴女は優しい家族に恵まれたわねぇ」
フュルフュール 「そうかなぁ? 道化伯爵なんて名前で 呼ばれちゃってるけどーぉ?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「民に愛されている証拠よぉ?貴女はご両親を誇るべきだわぁ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「そして、その血を身に宿す自分を誇りなさい」
リモン・リリトゥ=パイロン 「臆病でいいの――優しく、傷ついた人の気持ちを思える。 そんな貴族がいてくれることは、とても心強いから」
フュルフュール 「……リモンは時々真面目になるねーぇ。 マルちゃんとよく似てる」
リモン・リリトゥ=パイロン 「ふふっ、リモンはマルちゃんを愛してるからねぇ? 嬉しいなぁ……あぁ、マルちゃんの子供が産みたい」
フュルフュール 「あはー……キモいよ?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「やぁん、辛辣ぅ……」
メル・ムル・フュール 今でも、あの幸せな日々が思い出せる。
メル・ムル・フュール リモン――貴女は誰よりも民を愛し、 彼らを護る為なら命すら厭わなかった。
メル・ムル・フュール タナトスに襲撃されたムルの領地を見捨てず、 魔剣狼侯爵と共に槍をもって防衛に来てくれた。
リモン・リリトゥ=パイロン 「Ba’al――なぜ、死んでしまったの…… これでは、この身は……民を護るにはあまりに弱すぎる」
リモン・リリトゥ=パイロン 「ごめんなさい……ごめんなさい……メル…… 私はまた、心優しき民を救えなかった……」
メル・ムル・フュール タナトスの軍団に焼かれた、私の失われた誇りの地――。 そこで、空を睨みつけながら泣いた貴女を知っている。
メル・ムル・フュール 私が捕らわれた後、妹を護ってくれたことを知っている。
メル・ムル・フュール リモン……私のもう一人の親友。 何故、貴女はマルちゃんを裏切ったの?
メル・ムル・フュール 「あぁ、こんなに廃れてたのかーぁ」
エル・ムル・フュール 「姉さん……?」
メル・ムル・フュール 「汚い水……血と、腐った油と、悪魔の残骸で汚れてる。 昔は、稲で黄金色に染まる土地だったのに……」
エル・ムル・フュール 「ここは……ムルの領地だったのですか?」
メル・ムル・フュール 「んー……端っこの方はね。 東の王族と半分くらい分け合ってたんだよーぉ」
メル・ムル・フュール 「此処は地下水が豊富で、農業に適した場所だったから、 何度も譲ってくれって頼まれたっけ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「くすくすっ、懐かしいわね?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「この土地で農業の成長を競っていた貴族は数多く いたけれど、ムル伯爵が一番多くの稲を育てていた」
リモン・リリトゥ=パイロン 「貴女の家のパンが、私は一番好きだった……」
メル・ムル・フュール 「ふふっ、また焼いてあげようかーぁ?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「そうねぇ……食べられたら、いいわね」
メル・ムル・フュール 「……まぁ、味は変わっちゃうけどねーぇ。 もう、ムルの稲は失われてしまったから」
リモン・リリトゥ=パイロン 「……はい、これあげるぅ」
メル・ムル・フュール 「なにこれ、ばっちい革袋……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「稲籾が入ってるからぁ、気が向いたら育ててねぇ?」
メル・ムル・フュール 「……え?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「神様の加護が切れてるから発芽しないだろうけど、 今、貴女がいる場所なら復元できると思うから」
メル・ムル・フュール 「もしかして、ムルの稲なの……?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「貴女のママから、御守り代わりに分けてもらってたのよ。 死ぬ前に渡せてよかったわぁ……」
メル・ムル・フュール 「……っ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「あらぁ……泣き虫なのも相変わらずねぇ? ほらぁ……妹の前なんだから、だめよぉ……」
メル・ムル・フュール 「ぐしゅ……ありがと……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「あ……鼻水が、あぁ……もぉ……」
アルカ 「……あれが、大罪人か」
エル・ムル・フュール 「ええ、世界を裏切り、貴族の堕落を助長し、 叛乱軍の英雄、魔剣狼侯爵をタナトスに売り渡した」
エル・ムル・フュール 「裏切りの姫君……その筈、なんです……」
日紋 マルコ 「…………」
アルカ 「……こんな時にまで、タナトスは待っちゃくれないか」
タナトス 「――――」
日紋 マルコ 「……今は、邪魔をさせたくありません」
アルカ 「ああ、そうだな――」
日紋 マルコ 「手早く片付けてしまいますよ!」

神亡き世界の叛乱 8

リモン・リリトゥ=パイロン またひとつ、罪滅ぼしとも言えないものを果たした。
リモン・リリトゥ=パイロン でもね、私は感謝の言葉なんて、受け取る資格はないの。
リモン・リリトゥ=パイロン メル……私が護れなかった親友。 貴女は、私がどれだけ罪深いかを知らずに連れ去られた。
リモン・リリトゥ=パイロン でも、聡い貴女はわかっているでしょう。 私は貴女を救うことを諦めて、叛乱軍を裏切った。
リモン・リリトゥ=パイロン 敗北が決定した戦争で失われる多くの命を、 貴女の救出よりも優先したの。
リモン・リリトゥ=パイロン だから、昔と同じように縋りつかないで……。
アルカ 「タナトスは片付いたか……」
アルカ 「しかし、ここのロボットの残骸は何なんだろうな。 前から気になってたんだが、開放都市のものなのか?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「東の王族が趣味で作っていたおもちゃね。 タナトスの足止めに、何度か動いてるのを見たわぁ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「流石に、タナトスの物量には敵わなかったけど……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「“彼女たち”も……マァマなら救える――」
アルカ 「リモン?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「くすっ、足を止めてる場合じゃなかったわね。 さぁ、先を急ぎましょお? あるじさまぁ♪」
アルカ 「……ん?」
日紋 マルコ 「リモン? 今“私の”あるじさまを何と呼びましたか?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「マルちゃんとお揃いにしたくてねぇ……それに、 リモンが英雄って呼ぶ度に、据わりが悪そうにしてるもの」
アルカ 「あるじさまも、結構戸惑うんだけどな……」
アルカ 「まぁ、相棒が気にしないならいいんだけど」
日紋 マルコ 「待ってください! 断固抗議しますよリモン! それはマルコ専用です! 却下です! 却下!」
リモン・リリトゥ=パイロン 「くすくす……じゃあ、絶対やめなぁい♪」
日紋 マルコ 「くっ! た、叩きますよ!」
リモン・リリトゥ=パイロン 「えっ、えっ、ほんとぉ!? きてっ、きてっ、あぁん――マルちゃぁん♪」
日紋 マルコ 「キモい!」
リモン・リリトゥ=パイロン 「あぁん♪ えへへ……お尻叩かれちゃったぁ♪ リモン、着床しちゃったかもぉ……」
エル・ムル・フュール 「するわけがないでしょう…… これが、聡明なる大公爵と謡われたリモンなのですか?」
日紋 マルコ 「民の前では猫を被るんですよ、リモンは……」
エル・ムル・フュール 「あぁ、マルちゃんと一緒ですね」
メル・ムル・フュール 「マルちゃんと一緒だねーぇ」
ララ・ラプラス 「マルちゃんと一緒みたいです」
日紋 マルコ 「満場一致!?」
アルカ 「おい……先を急ぐんだろ? 漫才をやってないで、早く進もうぜ?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「はぁい♪」
リモン・リリトゥ=パイロン 「マァマ……もうすぐ、助けられるからね。 私たちの愛する民に、どうか天使の加護を――」

神亡き世界の叛乱 9

エル・ムル・フュール 物心がついた時、世界は既にタナトスに対して 劣勢を強いられていた。
エル・ムル・フュール 南部のフルーレティ国は壊滅し、民はすべてタナトスに洗脳された。
エル・ムル・フュール 北部のサルガタナスは最初の襲撃にあった際に、 すべての民が絶滅した。
エル・ムル・フュール そして、極東の孤立した島国―― ネビロス国は、タナトスに寝返った。
エル・ムル・フュール 最悪の兵器であり、最高の反抗戦力だった屠殺姫を タナトスに売り渡し、癒着した最初の国。
エル・ムル・フュール 彼らに触発されて、多くの貴族が領民をタナトスに 売り渡し、天上に浮かべられた強欲の都への移住権を得た。
エル・ムル・フュール ムルの家は降伏を拒み、滅んだ貴族。 私の、今もなお生き続ける誇り――。
エル・ムル・フュール マルコ侯爵はよく、その誇り高き行いを私に話してくれた。
マルコシエス 「エル、貴女の役目は戦うことではありません」
マルコシエス 「よく学び、いつか訪れる戦後の世に尽くしてください。 ムル伯爵――我が親友の妹であれば、それが出来る」
マルコシエス 「戦いは、この私とリモンに任せてください」
エル・ムル・フュール リモン公爵の名を口にしたとき、マルちゃんは心から 安堵し、信頼を感じさせる表情を浮かべていた。
エル・ムル・フュール リモン・リリトゥ=パイロン。
エル・ムル・フュール 前王アザエルに最も近い血脈の娘として、 影武者の任が与えられていた公爵。
エル・ムル・フュール タナトスの襲撃時、戦火の中に姿を消したアザエル王に 代わって、防衛指揮を執ったサタナキアの英雄姫。
エル・ムル・フュール リモンの行動により、サタナキアはタナトスからの被害を 最小限に抑え、一時はアザエルに次ぐ賢王と謡われた。
エル・ムル・フュール しかし、彼女は叛乱軍を裏切った。
エル・ムル・フュール 数年に及んだ反抗戦の最中、もっとも信頼され、 もっとも民に希望を与えてきた二人の英雄……。
エル・ムル・フュール マルコ侯爵の敗北は民を失意に落とし、 リモン公爵の裏切りは、叛乱軍を絶望させた。
エル・ムル・フュール それから、たったの三日。
エル・ムル・フュール “希望は失われた”そう誰かが呟いた日。 私の知る世界はタナトスに支配された。
エル・ムル・フュール あの英雄が何故、最終的に故郷を タナトスに売り渡すような決断を下したのか――。
エル・ムル・フュール あの日、戦う力がなかった私には知る術がない。
エル・ムル・フュール 「…………」
アルカ 「エル、どうしたんだ? 急に立ち止まったりして」
エル・ムル・フュール 「すみません、よそ見をしていたら沼に足が……」
アルカ 「おいおい、大丈夫かよ」
エル・ムル・フュール 「なかなか、目が離せないものが多くて」
アルカ 「あれか……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「あるじさまもいいけど、ダーリンも中々いいわよねぇ? マルちゃんが嫌がるし、リモンもダーリンって呼ぼうかぁ」
メル・ムル・フュール 「ララ、槍貸してーぇ?」
ララ・ラプラス 「いいみたいです」
メル・ムル・フュール 「わーい、お尻ぺちーん」
リモン・リリトゥ=パイロン 「ひゃんっ!?」
メル・ムル・フュール 「あはは、リモンのお尻はやわらかいねーぇ?」
メル・ムル・フュール 「お腹殴ったら手が折れるとか言うから、 鋼鉄の女かと思ったよーぉ?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「骨が丈夫なだけよぉ……皮膚なんかも破れにくいけど ちゃんと柔らかいオンナノコなんだからぁ」
メル・ムル・フュール 「弾力はあるんだねーぇ?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「当然でしょお……じゃないと心臓も動かないし、 子宮が鉄だったら、マルちゃんの子供産めないじゃない」
日紋 マルコ 「どのような体をしていても、私の子供は産めませんよ?」
メル・ムル・フュール 「あ、でもアルケミーの技術なら女の子同士でも 子供が作れるよーぉ?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「え……あ、嘘でしょお? 騙されないわよぉ?」
メル・ムル・フュール 「作れるよーぉ?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「えっ、えっ、ほんとぉ? どうしよう…… 計画では……でも、十ヶ月かぁ……」
メル・ムル・フュール 「えへへ、うっそぴょーん」
リモン・リリトゥ=パイロン 「え、嘘……?」
メル・ムル・フュール 「うん。リモンって、一度疑ってもメルが何回か “本当だよ”って言うと絶対信じちゃうよねーぇ?」
メル・ムル・フュール 「騙されやすくておもしろーい、くすすー」
リモン・リリトゥ=パイロン 「はぁ……信頼故のこの気持ちを弄ばれたわぁ…… メルは昔からいじわるよねぇ……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「マルちゃんと一緒に、なんど騙されたことか……」
日紋 マルコ 「鶏肉のサンドイッチをカエル肉だと言われて、 リモンが白目を剥いたことがありましたねぇ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「あの時はメルを恨んだわぁ……あと、カエルと 言われても平気で食べ続けたマルちゃんに引いたわ」
メル・ムル・フュール 「マルちゃんワイルドだったからねーぇ」
日紋 マルコ 「ご飯は何でも食べるのが礼儀ですよ?」
ララ・ラプラス 「ララも、カエル食べたことあるみたいです。 栄養があるみたいですよ?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「大丈夫ぅ? カエル食べる子とか、 あるじさまが嫌いにならなぁい?」
ララ・ラプラス 「……え?」
日紋 マルコ 「え!? あるじさま、駄目ですか!? カエルを食べるマルコは嫌いになりますか!?」
ララ・ラプラス 「おとーさん……いやみたいです…… 嫌いになっちゃ……あぅ……」
日紋 マルコ 「あるじさま! もうマルコはカエルを食べません! 特別好物だったわけではないのです!」
ララ・ラプラス 「おとーさん……ぐすっ、ララも、カエル食べないみたいです ……なんでも言うこと聞くみたいですっ」
日紋 マルコ 「お願いします! 嫌いにならないでくださいーっ!!」
日紋 マルコ 「あ、何故ララだけ抱き締めるのですか!? マルコは? あるじさま! マルコも抱き締めてほしいのですが!?」
アルカ 「……騒がしいな」
エル・ムル・フュール 「まるで遠足です……しかも、仲が良いお友達との……」
エル・ムル・フュール 「裏切りの姫君を相手に、忠義と粛清のマルコ侯爵が…… サタナキアの民が見たら、どう思うのでしょうか」
アルカ 「過去の裏切りか……エルは許せないか?」
エル・ムル・フュール 「……立場上、許すわけにはいきません」
エル・ムル・フュール 「しかし――」
アルカ 「待ってくれ、エル――タナトスの反応を確認した。 あっちも気づいたな……近づいてくるぞ」
エル・ムル・フュール  エル・ムル・フュール 「……倒しましょう。これ以上考えていると、 信念に矛盾が生じてしまいそうです」
タナトス 「――――」
エル・ムル・フュール 「エルは、今の開放都市の為に行動する。 過去のことは、姉さんやマルちゃんが片付けるべきです」
タナトス 「――…………」
エル・ムル・フュール 「さぁ、ダーリンくんにいいところを見せて、 褒めてもらいましょう」

神亡き世界の叛乱 10

リモン・リリトゥ=パイロン エル・ムル・フュール。
リモン・リリトゥ=パイロン ムルの領地が支配された後、国家へ託された遺児。 メルの妹で、私が初めてこの手に抱いた赤子。
リモン・リリトゥ=パイロン 叛乱軍の活動が本格化するにつれて、 彼女の教育は信頼できる者に任せて来た。
リモン・リリトゥ=パイロン 私に出来たのは、ただ健やかに育てる場所を、 たったの三年間、守ることだけだった……。
リモン・リリトゥ=パイロン 彼女は私の守るべき民であり、 私がタナトスの支配下に放り込んだ無垢なる命のひとつ。
リモン・リリトゥ=パイロン 私に石を投げる権利を有する民のひとり。
リモン・リリトゥ=パイロン だけどエル……貴女もまた、情が深すぎる。 決意で塗り潰していても、優しさが見えてしまっている。
リモン・リリトゥ=パイロン 私を敵だと認識していても、迷いが消せていない。
リモン・リリトゥ=パイロン 魔剣狼侯爵が断罪し、更生させた罪人はムルの領地へ送られ、 農夫として新たな人生を歩むよう手配されていた。
リモン・リリトゥ=パイロン ムルの地は罪人すらも慰め、生きる糧を与えて来たのだ。 その優しい血は、確実にエルへ受け継がれている。
リモン・リリトゥ=パイロン 素敵な国民たち……私は少し、困ってしまっているわ。
リモン・リリトゥ=パイロン 「さて、そろそろ目的地に着くわよぉ」
日紋 マルコ 「ようやくですか」
メル・ムル・フュール 「ダーリンをからかいながら来たから、 結構時間かかっちゃったねーぇ?」
ララ・ラプラス 「……リモンの傷もだいぶ塞がったようです。 おとーさん、ずっとエナジーを渡してたようですか?」
アルカ 「相棒、やけにリモンの傍に居ると思ったら…… また、無茶なことはしてないだろうな?」
アルカ 「そうか、相棒はすぐに強がるから信用してないけど、 とりあえず、歩くことは出来そうだな」
エル・ムル・フュール 「アルカ、ダーリンくんがショックを受けてますよ?」
アルカ 「自業自得だ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「……ふふっ、微笑ましいわねぇ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「それで、この先にいる敵のことだけど…… 少し厄介だから、そろそろ気を引き締めてちょうだいね?」
日紋 マルコ 「ようやく話す気になりましたか、リモン。 訳も話されぬまま、どれだけ歩かされたことでしょうか」
リモン・リリトゥ=パイロン 「リモンは意地悪してた訳じゃないのよぉ? ただ、力の足りない者は置いて行こうと思ってただけぇ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「じゃないと、本当に死んじゃうから」
エル・ムル・フュール 「…………」
ララ・ラプラス 「……あの洞窟の奥から、強い力を感じるみたいです」
リモン・リリトゥ=パイロン 「うん、あそこにいるわ。 天使の形をした、今までで最強のタナトスよ」
日紋 マルコ 「まさか……“巨兵”ですか?」
アルカ 「巨兵……?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「昔、私たちの世界の民にはそれなりに戦う力があって、 小さなタナトス相手なら十分に戦えたの」
リモン・リリトゥ=パイロン 「物量に負けたことは否めない……でも、最後の ひと押しになったのが、巨兵と呼ばれる天使型のタナトス」
アルカ 「データベースにはそんなタナトスなんていないぞ。 ワタシたちの世界に来てないだけなのか……?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「鉄の悪魔の事情なんて、リモンには分からないわぁ…… ただ、数は少なく……強いのは確かよ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「この先に眠る巨兵はアザエル様を捕らえ、 力を奪い続けている……それだけの力があるの」
日紋 マルコ 「その巨兵を倒せば、アザエル様が解放されると考えて よいのですね……?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「そうよ……そして、アザエル様を救い出したら、 私の役目はおしまい」
リモン・リリトゥ=パイロン 「私は喜んで磔刑に処されましょう」
日紋 マルコ 「リモン……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「さて、今回は倒せるかしらね……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「――頼らせてもらうわ、優しい英雄さん」

神亡き世界の叛乱 11

グラーシャ・ラボラス リモン・リリトゥ=パイロン。
グラーシャ・ラボラス “私”は、この子のことを知らない。
グラーシャ・ラボラス ただ、人を殺し続けた“私”は殺してはいけない存在が なんとなくわかる。
グラーシャ・ラボラス 例えば、疎まれた善き貴族を殺すとき。 例えば、敵国の名将を殺すとき。
グラーシャ・ラボラス “私”にはその者に光が見えた。
グラーシャ・ラボラス そして、それらの死は決まって世界に不利益を及ぼした。
グラーシャ・ラボラス 名主の死は民と経済に混乱を与え、 名将の死は鉄の悪魔への戦力を確実に削いだ。
グラーシャ・ラボラス 今もそう……リモンは輝く者だと分かる。
ララ・ラプラス 「――私の“優しいおとーさん”。 ララはお話があるみたいですよ?」
ララ・ラプラス 「リモン・リリトゥ=パイロンは、生かすべきみたいです」
ララ・ラプラス 「おとーさんも、そう感じていたみたいですか? ララ、余計なことを言ったみたいです」
ララ・ラプラス 「うん……いつでもララを頼ってほしいみたいです」
ララ・ラプラス 「今のララは命令じゃなくても、おとーさんの為に、 すべての力を捧げるみたいですよ?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「さぁ、時は来た……アザエル様、見えているかしらぁ?」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「なんじゃ、戻って来てしまったのじゃな……リモン」
リモン・リリトゥ=パイロン 「言ったでしょお、アザエル様」
リモン・リリトゥ=パイロン 「今こそ貴女を――世界を救う時なの」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「鉄の悪魔が扉を開く力……おぬしを逃がすために 巨兵を操って使ってはみたが……あれはひどく疲れる」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「二度目は無いぞ?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「ええ、泣きの一回なのよ…… 異世界の英雄の力を借りて、貴女を救うわぁ」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「む……?」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「リモン……その力は、どうした?」
日紋 マルコ 「アザエル、さま……」
メル・ムル・フュール 「あはは……本当に生きてたんだーぁ?」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「マルコ……メル……」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「巻き込んだのか、リモン」
リモン・リリトゥ=パイロン 「ええ……貴女を救う為に。 そして“私が死んでも”あの鉄屑を殺せるように――」
日紋 マルコ 「リモン……?」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「ほぉ、そうきたか……」
アルカ 「おい、リモン……なに不穏なことを言ってんだ。 話が見えねぇぞ……?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「そぉねぇ……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「見えるかしら、アザエル様の手足についた鎖」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「…………」
リモン・リリトゥ=パイロン 「タナトスは、アザエル様を封印したときに 神様専用の拘束具をつけたのよ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「この鎖は今も、巨兵に力を与え続けている。 これがある限り、たぶん私たちに巨兵は倒せない」
リモン・リリトゥ=パイロン 「巨兵は思った以上に成長していたわ。 アザエル様の力を得て、三十年前より強大になった」
リモン・リリトゥ=パイロン 「だから、拘束具を破壊する必要がある。一番簡単なのは、 鎖の所有者が死ぬことね。ただ、アザエル様は殺せない」
リモン・リリトゥ=パイロン 「そして今、私の左手についている鎖……これはね、 さっき、アザエル様の分を肩代わりしたの」
メル・ムル・フュール 「……ねぇ、あんまり分かりたくないんだけどさぁ」
メル・ムル・フュール 「リモン……メルたちに、貴女を殺せって言ってる?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「正解」
リモン・リリトゥ=パイロン 「今からこの命を捧げて、アザエル様の鎖を 出来る限り引き取るわぁ」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「死んで鎖を破壊するか……。 のうリモン、わらわがそれを許すと思ったか?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「あはっ、力づくよぉ♪」
リモン・リリトゥ=パイロン 「さぁ、貴方たちにはもう一度私と戦ってもらうわ。 今度は“挨拶”じゃないわよぉ?」
日紋 マルコ 「リモン……」
メル・ムル・フュール 「あはは……それ、笑えないよぉ……」
エル・ムル・フュール 「…………っ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「さぁ、磔刑の十字架を綺麗に彩ってちょうだい?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「手加減なんて、許さないからぁ♪」

神亡き世界の叛乱 12

リモン・リリトゥ=パイロン メル、そんなに泣かないで。
リモン・リリトゥ=パイロン エル、そんなに迷わないで。
リモン・リリトゥ=パイロン マルちゃん――私を、救おうとしないで。
リモン・リリトゥ=パイロン 異世界の英雄に貰ったその力を示して。 貴女たちの、新しい命の輝きを――。
リモン・リリトゥ=パイロン ああ、強い。
リモン・リリトゥ=パイロン 見て、アザエル様――神器の槍がいま、弾かれたわ。 天使に創造されたこの身が、この皮膚が、裂けたわよ。
リモン・リリトゥ=パイロン これが、絆の英雄の力。
リモン・リリトゥ=パイロン 駄目ね、今更そんなこと考えても仕方ないのに……。
リモン・リリトゥ=パイロン 英雄さん……貴方が居てくれたら、 私は罪を犯さずにいられたのかしら。
リモン・リリトゥ=パイロン 「――なんて、馬鹿なことを」
リモン・リリトゥ=パイロン 神様から生まれた天使たる母よ。 貴女の身代わりはようやく、罪をそそぎます。
リモン・リリトゥ=パイロン 死をもって――。
………………。
…………。
……。
ララ・ラプラス 「おとーさん」
ララ・ラプラス 「いま、どうしたいと思っているようですか?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「さぁ、手加減なんてしてたら死んじゃうわよぉ? 全力で、私を殺してみせなさい」
リモン・リリトゥ=パイロン 「ん……?」
アルカ 「相棒?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「ちょっとぉ、英雄さんは下がっててくれるぅ? 万が一にも倒れられたら困るんだけどぉ……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「――貴方、何を笑って」
アルカ 「相棒、それ……誰の名前だ?」
ララ・ラプラス 「初めて呼んでくれたみたいです――ララの、魂の名前」
ララ・ラプラス 「初めての、魂への命令みたいです」
ララ・ラプラス 「グラーシャ・ラボラスは――リモンを“殺さない”」
リモン・リリトゥ=パイロン 「貴方――」
メル・ムル・フュール 「あはっ……ダーリンは本当に、 私たちのことを分かってるねーぇ……泣いちゃいそぉ」
エル・ムル・フュール 「まったく……ダーリンくんは仕方がない人ですね」
メル・ムル・フュール 「フュル・フュールは――“怖れない”」
エル・ムル・フュール 「ミュル・ミュールは――“迷わない”」
日紋 マルコ 「――あぁ、我が素晴らしき主様。 その命令を、マルコに与えてくださるのですね」
日紋 マルコ 「マルコシエスは――“リモンを救う”」
リモン・リリトゥ=パイロン 「魂の名前への命令……? でも、それだけじゃない……この力は、なに?」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「くくっ……これが、アルカディアの欠片か。 参ったのぉ……期待に胸が躍っておる」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「リモン、楽しいことになりそうじゃぞ?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「やだぁ……全然楽しくなさそうな気配がするぅ」
メル・ムル・フュール 「たぶん、正解だねーぇ?」
エル・ムル・フュール 「とりあえず、拘束しましょう」
リモン・リリトゥ=パイロン 「いったぁい! ちょっと!?」
ララ・ラプラス 「全力みたいです……でも、魂の命令があるから、 殺さないと思うみたいですよ?」
ララ・ラプラス 「――きゃはっ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「かっ、こひゅ――」
日紋 マルコ 「気ままな王女である貴女へのお仕置きは、 いつもお腹にパンチでしたね」
日紋 マルコ 「リモン、動いてはなりませんよ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「あは……動けると思う? だいぶ痛めつけられてるんだけどぉ……」
日紋 マルコ 「人の言うことを聞かず、突っ走るからそうなるのです。 裏切られたあの日にも、言いたかったのですよ」
日紋 マルコ 「――何かを為すときは私に相談しなさい」
リモン・リリトゥ=パイロン 「やぁだ」
日紋 マルコ 「では、お仕置きです――」
リモン・リリトゥ=パイロン 「――ぐぇ」

神亡き世界の叛乱 13

アザエル・リリトゥ=パイロン 時が来たとリモンは言った。
アザエル・リリトゥ=パイロン 鉄の悪魔に神を殺され、天使である我が身も鎖に繋がれた。 力は封じられ、簒奪者に吸われ続けている。
アザエル・リリトゥ=パイロン リモンは天使の加護を再び民にもたらしたいのじゃろう。 しかし、すべては無駄なことじゃ。
アザエル・リリトゥ=パイロン 最早、我が身にBa’alの力を分配する権能は無い。 すべては、侵略者に奪われたままじゃ。
アザエル・リリトゥ=パイロン しかし、外ならぬリモンの望みじゃしのう……。 わらわも少しだけ、救われる努力をしようぞ。
アザエル・リリトゥ=パイロン おぬしが命を懸けて自由にしてくれたこの左手だけでも、 お前と英雄くらいなら守護できよう。
アザエル・リリトゥ=パイロン だから死ぬな……なぁ、リモン。
リモン・リリトゥ=パイロン 「こひゅー、こひゅー……はぁ、う…… うぅ……うぅぅ……お腹、いたぁい……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「マルちゃんの赤ちゃん産めなくなっちゃう……」
日紋 マルコ 「……元より産ませる気はありませんよ?」
日紋 マルコ 「さて、あるじさま。彼女を救う準備は整いました。 後は貴方の思うがままに――」
アルカ 「とはいっても……相棒、どうするつもりだ?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「ちょ、ちょっとぉ……なぁに?」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「英雄よ、リモンの腕のそれじゃ、 その腕輪を握ってやれ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「アザエル様!? あ、ちょっと、触ったら死ぬわよ!? 常人が触れたら一瞬で干からびるような呪物――って」
リモン・リリトゥ=パイロン 「ま、待ちなさい! マルちゃんのあるじさまを 殺してたまるものですかぁ! ぐぬぬぬぬぬ!!」
リモン・リリトゥ=パイロン 「や、やぁん……意外と力が強い……け、ケダモノ! あぅ、痛みで力がはいらな……あっ、あっ、ひゃんっ!」
リモン・リリトゥ=パイロン 「え……?」
アルカ 「なんだ? なにかが割れるような音がしたぞ?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「力の吸引が止まった……? 封じられてはいるけど、侵略者との繋がりが薄れている」
リモン・リリトゥ=パイロン 「なにこれぇ……?」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「絆か……呆れた力じゃな」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「軽減する程度かと思えば、拘束や支配といった いかなる“繋がり”も、その力が塗り潰してしまう」
アルカ 「よく分からねーけど…… 相棒のエナジーを分け与える力が何かやったのか?」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「くふふっ、知らずに使っておるのじゃな。 いや、知らされていないのか……まぁよい」
アルカ 「いや、何もよくねーよ! 説明しろっての!」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「知りすぎるのもよくなさそうじゃからの?」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「それに、英雄は知識が無くとも、無意識の内に 力を振るうべき場所が分かっておるようじゃ」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「であれば、語るのはわらわではない。 とりあえず、デタラメな力だと思っておけー?」
アルカ 「あ、アバウトすぎる……」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「それより、なぁ? そろそろ、本番なのじゃが……準備はよいかの?」
アルカ 「は?」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「サタナキアの英雄たちよ、よくぞここまで来てくれた。 異世界の英雄と出会わせてくれたことに感謝しよう」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「さぁ――わらわのこともサクっと救ってたもれー?」
アルカ 「……おい」
天使型タナトス 「――――」
アルカ 「もうちょっと、前ふりとかねーのかよ」
日紋 マルコ 「なんという熱気でしょうか……」
エル・ムル・フュール 「……あれが、巨兵ですか」
メル・ムル・フュール 「あは……おっかないねーぇ?」
ララ・ラプラス 「おとーさん、ララの傍に居てほしいみたいです」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「ちなみに、わらわはまだこやつの支配下じゃ。 本気で戦うとなったら、わらわも操られるじゃろう」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「まぁ、安心してよいがの。 わらわの攻撃は、すべてリモンに向けるよう努力するし」
リモン・リリトゥ=パイロン 「アザエル様の攻撃……? え、リモン死んじゃう」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「この中で一番強いじゃろ。 わらわも精一杯抵抗してみるから、耐えておくれ?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「ノリが軽いわよぉ……」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「これも新たな時代というもの。 決死の覚悟で戦ったあの日は、もう過去なのじゃ」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「さぁ、天使の子孫ならば意地を見せよ」
天使型タナトス 「――――ッ!!」

神亡き世界の叛乱 14

アザエル・リリトゥ=パイロン ――新たな時代の英雄。
アザエル・リリトゥ=パイロン 本当に、笑い出してしまいたくなるような奇跡じゃ。
アザエル・リリトゥ=パイロン かの巨兵に立ち向かう為に、わらわ達はどれだけ悲壮な 覚悟を身に宿し、敗北したものか……。
アザエル・リリトゥ=パイロン なぁ、Ba’alよ……見ておったら、おぬしは笑うじゃろう。
アザエル・リリトゥ=パイロン 今、わらわを救わんとする英雄は、皆で笑い合った 次の瞬間、かの巨兵を倒そうとしている。
アザエル・リリトゥ=パイロン あぁ……こんな風に、世界は救われるのか。
アザエル・リリトゥ=パイロン 少しだけ、悔しいのぉ?
天使型タナトス 「――――――ッ!!」
エル・ムル・フュール 「く――っ!」
メル・ムル・フュール 「エル!? この――っ!」
天使型タナトス 「――ッ!!」
エル・ムル・フュール 「やられっぱなしは趣味ではありません。 拘束しますよ――ララ!」
ララ・ラプラス 「あなたは殺すみたいです」
天使型タナトス 「――――」
ララ・ラプラス 「いくら刺しても死なないご馳走――きゃはっ」
ララ・ラプラス 「ララはご機嫌みたいですよ?」
天使型タナトス 「――、――……」
アルカ 「デカブツの反応が弱まってきてる…… みんな、あと少しだ!!」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「ほぉ……リモン、生きとるかー?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「ぜぇ……はぁ……うぅ……お腹、いたぁい」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「元気そうじゃな」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「あやつが弱って、左手も随分楽になった…… 今から少し、巨兵の力を抑えてみよう」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「マルコ、リモン、トドメはおぬしらが刺せ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「はぁ……無茶、言うわよねぇ……もう限界なんだけど」
アルカ 「おい、相棒! まだそっちは戦闘が……っ! くそっ、相変わらず無鉄砲すぎるぜ!」
リモン・リリトゥ=パイロン 「え……ちょっと、あるじさまぁ……? なんで、こっちに来ちゃってるわけぇ?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「今近づくと、攻撃に巻き込まれて死ぬわよぉ? こら、止まりなさいって……もぉ!」
リモン・リリトゥ=パイロン 「ん……また、リモンにエナジーを分けに来たのね」
リモン・リリトゥ=パイロン 「……そうね、あなたは力を分けることしかできない」
リモン・リリトゥ=パイロン 「生身のあなたは雑兵相手にも容易く殺されてしまう。 なのに、過酷な戦場の中で駆け寄ってきてくれる」
リモン・リリトゥ=パイロン 「まったく……馬鹿で素敵な子」
リモン・リリトゥ=パイロン 「――格好つけたくなっちゃう」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「くふふっ、よいよい……英雄たちの力、示してたもれ」
日紋 マルコ 「お任せください、王よ」
日紋 マルコ 「リモン、行きますよ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「いつでもいいわよぉ? 久しぶりだけど、いくらでも合わせてあげるぅ」
天使型タナトス 「――――」
日紋 マルコ 「Ba’al――我らの名に祝福を」
リモン・リリトゥ=パイロン 「Ba’al――我らの名に栄光を」
マルコ&リモン 「古き侵略者を過去と共に断て――魔剣よ!」 「新たな時代への道を貫き穿て――神槍よ!」
天使型タナトス 「――――…………」
………………。
…………。
……。
リモン・リリトゥ=パイロン 「此処に居たのね――」
リモン・リリトゥ=パイロン 「もう少しで、タナトスの残党狩りも終わるわ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「ララちゃんに貴方の護衛を代わって貰ったから、 少し話しましょうよ……伝えたいことがあるの」
リモン・リリトゥ=パイロン 「異世界の英雄さん……いろいろと、ありがとう」
リモン・リリトゥ=パイロン 「この左手と侵略者の繋がりが弱まったのを感じる。 マァマもきっと……これで私の人生最後の仕事は終わり」
リモン・リリトゥ=パイロン 「あとは開放都市に戻って、私が公的に裁かれれば、 裏切りの姫の物語は幕を閉じる」
リモン・リリトゥ=パイロン 「あら、くすくす……あるじさま? 止めたらいやよ……私は罪人なの……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「ええ、開放都市で重要な立場にある貴方が口添えすれば、 私の運命は変わるかもしれない……でも、それはしないで」
リモン・リリトゥ=パイロン 「この大業を生きて成し遂げるチャンスをくれた。 それだけで十分よ……感謝しているわ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「最後に二人きりで会えてよかった」
リモン・リリトゥ=パイロン 「――どうか、素敵な時代をつくってね」
………………。
…………。
……。
アルカ 「あれから一週間か……」
アルカ 「結局、アザエルって奴とリモンはどうなったんだろうな。 マルコたちは開放都市に帰ったきりだし……」
アルカ 「リモンは……処刑されちまったのかな」
アルカ 「……そうだな、ワタシたちにはどうすることも出来ない。 開放都市の事情、だもんな」
アルカ 「……マルコとの約束の時間だ。 開放都市にゲートを繋げようぜ、相棒」
日紋 マルコ 「あるじさま! 貴方のマルコがただいま戻りました!」
エル・ムル・フュール 「マルちゃんは元気ですねぇ……はぁ」
アルカ 「二人とも、おかえり。 エルは随分と疲れた顔をしてるな……」
エル・ムル・フュール 「はい、疲れました……アザエル王の救出後、王座への 帰還を手配したかと思えば、本人にそれを拒否され……」
エル・ムル・フュール 「その後も、あの王様に振り回されて、振り回されて…… 最終日に行ったリモンの軍法会議も……はぁ……」
アルカ 「リモンの裁判で、何かあったのか……?」
日紋 マルコ 「ええ、まぁ……」
日紋 マルコ 「事情は本人に聞くのがよろしいかと」
アルカ 「え……?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「――あるじさま」
アルカ 「リモン……」
アルカ 「……おかえり」
リモン・リリトゥ=パイロン 「……ただいまぁ」
アルカ 「公開処刑を受けるって話はなくなったのか? もしかして、今回の件で減刑とか……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「……処刑用の槍が身体に通らなかったのよぉ」
アルカ 「……は?」
日紋 マルコ 「リモンの身体は常軌を逸しているのですよ。 錬成術も持たない一般の民では、傷ひとつ付けられません」
リモン・リリトゥ=パイロン 「十二本目の槍が折れたところで、 公開処刑は延期になったわぁ……はぁ」
エル・ムル・フュール 「マルちゃんやララなら、とも思ったのですが…… ダーリンくんの魂の命令があるので無理でした」
アルカ 「もしかして、リモンと戦う前に相棒が言った命令?」
エル・ムル・フュール 「ええ、それです」
エル・ムル・フュール 「ララは命令と自らの意思により“リモンを殺さない” マルちゃんは命令と矜持により“リモンを救う”」
エル・ムル・フュール 「ダーリンくん、あなたの許しがなければ、 二人はリモンを殺せないのですよ」
日紋 マルコ 「そして、マルコの知るあるじさまは、 リモンを処刑することを望まないでしょう」
アルカ 「……まぁ、そうだろうな」
エル・ムル・フュール 「そこで、いろいろ協議した結果……リモンは ダーリンくんの元へ送りつけることにしました」
エル・ムル・フュール 「責任を取ってください」
アルカ 「責任って……あ、おい、相棒……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「あるじさま……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「……見ての通り死に損なってきたわ。 馬鹿みたいでしょお?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「――きゃっ! こんな所で抱き締めるなんて…… もぉ……頭を撫でちゃいやよぉ……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「くすくす……大袈裟な人なんだから…… あんまり優しくしちゃ、駄目よぉ?」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「楽しそうじゃな、リモン?」
リモン・リリトゥ=パイロン 「あ……こほんこほん…… あらやだ……アザエル様、いたのぉ?」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「ずっとおったじゃろ? イチャついておらんで、はよう紹介せんか」
リモン・リリトゥ=パイロン 「はぁい……えっと、あらためて紹介するわねぇ? こちらはアザエル・リリトゥ=パイロン様」
リモン・リリトゥ=パイロン 「サタナキア……あなた達が開放都市と呼ぶ国の 偉大なる王だった人よ」
アルカ 「アザエル様か……開放特有の礼儀とかには 詳しくねぇから、失礼なことしてなきゃいいけど」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「まー、今はその辺に居るばばぁじゃから、 敬う必要はない。様などつけずに適当に呼ぶがよいぞ」
アルカ 「ばばぁって……いや、そういえばお前、 ワタシらの何倍も長く生きてるんだっけ……?」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「うむ。加護により加齢が止まり、幼く見えるだけじゃ。 まぁ、アザエルちゃんと呼んでもかまわぬがな?」
アルカ 「おいおい、王様だったくせに随分フランクだな」
リモン・リリトゥ=パイロン 「ほんとぉ……タナトスに捕らわれる前は、 もうちょっと威厳があったんだけどねぇ……」
リモン・リリトゥ=パイロン 「今は怠けるしぃ、すぐに王冠を失くすしぃ…… 王座に就くことを拒否するしで……やりたい放題よぉ」
リモン・リリトゥ=パイロン 「エルちゃんやマルちゃんは王様が戻って来たって、 期待してたんだけどねぇ……はぁ……」
エル・ムル・フュール 「……振り回されています」
日紋 マルコ 「あはは……同じく」
アザエル・リリトゥ=パイロン 「今日からこちらの世界を観光するつもりじゃからの。 アルケミーにはしばらく厄介になるぞー」
アルカ 「これはまた……開放都市が複雑そうなことになったな。 相棒は妙な責任を押しつけられるし……」
アルカ 「……なんだよ相棒、笑ってるのか?」
アルカ 「――そうだな、とりあえずは一件落着だ」
………………。
…………。
……。
??? 「――アザエルから流れて来る力の量が減っている」
あざエルさまヲスクッた。
??? 「アルカディアの欠片……ついに巨兵まで斃し、 アザエルを解放した……同じ敗北した世界の癖に……」
ソノチからは、オ姉様たチモ救エルノ?
??? 「私の作る楽園を侵略するつもりなのね。 私たちを……私の世界を――」
セエレ……がープ……あまイモン、さま……
??? 「Ba’alの権能の回収を急がないといけないわね。 信仰戦争に代わる民の強化を……強き民を生まないと」
たスケ、たイ、なぁ……
??? 「神の力を分け与えられただけの無能な民…… サタナキアの貴族を、根絶やしにしないと――」
バエル・ゼブルの瞳 「………………」
バエル・ゼブルの瞳 「――哀れな子」 -- 2023-03-24 (金) 20:20:33

  • 長文テストするなら新規ページ作ってやったほうがいいと思います -- 2023-03-25 (土) 12:50:06
  • 何処までほんとか分らんがソラカナのオフライン版を作るかもしれないらしい?ソラカナdiscordで社長とコンタクトできて別の人が計画立案してるみたい。というかやっぱ社員居ないんかい -- 2023-03-27 (月) 13:44:27
  • 最近忙しくてDMM触れてなくて久しぶりにwikiみたらサ終でびっくりした…マァマのHシーン見とけばよかった… -- 2023-04-14 (金) 07:56:00
  • 久しぶりに触ろうとしたらサ終してたんか...オフライン版の話進んでるっぽいから期待 -- 2023-05-11 (木) 00:58:57
  • ミナシゴにちぇるのぼーぐが来るとはな -- 2023-09-20 (水) 20:21:22
  • 檜隈 ひなたのページ作成されてるのに見れなくなってる・・・ -- 2023-11-23 (木) 11:39:12
    • あ、ページはあるけどTOPのユニットからリンクがないだけでした。 -- 2023-11-23 (木) 11:46:46
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