※同じタイプでも多少の誤差があるので参考程度に留めておいて下さい。 ※Lv1の数値は全タイプ共通です。 ※ステータス値を記載、コメントしてくださる方はステータス上昇系のマテリアを外した値を記載するようお願いします。
※ネタバレ注意
アルケミーで行われる春日祭の目玉行事である舞台劇。その演者の欄に自分の名前が並んでるのを見た瞬間、 明未はすぐさま犯人と思われる自治会長のもとに走っていった。彼女は悪びれもせずに明未に肩ひじの力を抜くいい機会だと笑いかけた。 それでも渋る明未に出演を決意させたのは、それに続く会長の『彼は惚れ直すのでは』という一言だった。 明未自身は一度決まった役者がいなくなっては迷惑をかけるからと口にするが、その言葉が心を揺さぶったのは否定できない事実だった。
その年のアルケミーの春日祭は盛大なものだった。同じ七大都市である悠久都市から長い友好の証として贈られた『サクラ』の大樹は アルケミーの心臓部であるジェネシス。ステラにもほど近い広場へと移植され、大がかりな催しごとがいくつも行われる。その中の一つに、とある演劇があった。 1人の姫と若武者の恋の物語……明未は、そんな二人に横恋慕する悪女の役として不本意ながら登場することになる。 他の女性に自分の愛する男性が心惹かれ遠ざかっていくことへの嫉妬と憎しみ……明未は、そんな役に中々感情移入できずにいた。
姫と若武者の立場違いの恋を描く劇を盛り上げる困難のひとつ……明未の演じる悪女は、言ってしまえばそんな端役でしかない。 台本を読み、役に入れこもうと努力する明未からしても、その女はとれも出はないが主役などにはなれない低俗な人物だった。 だが、ふと考えてしまう。仮に彼女の立場に自分がいたら、と。自分の心に強く存在している人の隣に、自分以外の人間がいるのを見て、 自分は何を思うのか――『分からない』と口では言いながら、台本を持つ彼女の細い指には力が込められていた。
戦いを重ねて、明未の中に澱のようにたまったエナジーの汚染。それは激痛となり彼女を苛む。 妹と呼ばれるはずだった存在を犠牲にして生きてきた彼女にとって、その痛みは罰であり、己の罪を忘れないための訓示でもあった。 だが、ふと『役』に入り込んで『本来の自分』から一歩離れた時、弱い彼女の心が顔を覗かせる。痛いのは嫌で、本当はすべてを許してほしくて、 大好きな人に甘えて、愛してもらって……まるで劇の役に重ねるように、そんな安楽な夢をエナジーに侵された心が見せる。 けれど、その夢に溺れるほど、水卜明美という少女は弱くはない。
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