天穹ノ彼方の錬星郷「ソラカナ」攻略まとめ Wiki

ねぇ、学生時代のことを覚えていますか？　あなたは、少
し気難しい性格で……初めて会った時も、乱暴な口調で、
私を突き放そうとして……しまいには、手を出されそうに
なったこともありましたね。個人的には、拳と拳で気持ち
を伝えあう、なんて展開も憧れなくはなかったのですけれ
ど……あそこで、舌打ちをしながらもなんだかんだ拳を引
いてくれたのが、あなたの根っこにある優しさだったので
しょうね。ああ、あの頃のことを思い出すだけで、こんな
にも胸の奥が温かくなる……こんな温もりを、私は……少
しだけ、怖いと感じるんです。

私は、胡蝶の夢……そんな風にいったら、あなたも彼も怒
るのでしょうね。だから、口にはしません。それに、胡蝶
の夢だろうとも、こうしてあなたたちの傍にいることがで
きる。それ以上の幸せがあるでしょうか？　夢だったとし
ても……いつか覚めて無くなる幻想だったとしても、今
は、この瞬間をしっかりと生きてゆきたいと思うのです。
そして……いつしか溢れる幸せの温もりに包まれ、朝霧カ
レンの心が氷のように溶けてなくなってしまった時には…
…朝霧花蓮を、受け入れてあげて、くださいね。

昔のことを思い出して、幸せな記憶を夢に見て、でもそれ
は"花蓮"のもので"カレン"である私のものではなくて……
"カレン"としての時間を生きているはずなのに"花蓮"はど
こまでもついてきて……ああ、こんな考えはいけないと分
かってはいるけれど……もしかしたら"花蓮"は、返せ、っ
て訴えているの？　自分の全てを奪った"カレン"から、奪
い返そうとしているの？　その気持ちも、分かってしま
う。"カレン"は所詮作り物で……でも、私はあまりに、幸
せ過ぎる。"花蓮"と"カレン"……帳尻は、合わせなくては
いけないの？

幸せの温もりを感じるほどに私は曖昧になっていく。まる
で、氷のように溶けて、形を失っていく。頭では、理解し
ている。これがきっと、私の浸食症状。"花蓮"に心が奪わ
れる……きっといつか、私は気づかないうちに自分を"花
蓮"と呼ぶようになる。その時は……ああ、お願いです。
どうか、拒絶しないであげてください。きっと"花蓮"は、
あなたに拒絶されることに耐えられるほど、強くはいられ
ないから。だから……梢、"花蓮"をよろしくお願いしま
す。そして出来る事なら、"カレン"のことも、覚えておい
てくださいね。