※LBゲージの数値についてはFAQをご覧ください。
※同じタイプでも多少の誤差があるようなので参考程度に留めておいて下さい(要検証) ※Lv1の数値は全タイプ共通です。 ※ステータス値を記載、コメントしてくださる方はステータス上昇系のマテリアを外した値を記載するようお願いします。
※ネタバレ注意
ハロウィンの夜、紅緒は自治会の新人から補導を受けた。 平時は落ち着きを持って行動する彼女が年齢を誤認される ことはないのだが、当日は熱を上げている男との逢瀬に浮 かれ、羽目を外していたのである。紅緒は頬を染めて錬成 術師登録の免許を提示しつつ、外見相応に見られるほどに 浮足立っていた自分を戒め、猛省した。しかし、迎えに来 た男の顔を見た瞬間から心は躍ってしまい、落ち着かせた はずの声色は甘くなっていく……その後、自治会では『灼 屋紅緒は男に甘く、可愛い恋をしている』と噂されること になる。そんな未来を、彼女はまだ知らない。
恋をしてから、紅緒は自分の未来を見ることが無くなった 代わりに、簡単な恋占いを日課にしていた。ハロウィンイ ベントを控えたある日、彼女はいつものようにタロットカ ードを見下ろす。結果は、月が輝く頃に運気が上昇--そ の日、彼女はキッチンの清掃を始め、食材を買い出し、冷 蔵庫を溢れさせた。そして、夜になると「お腹が減った」 という短いメッセージを受け取り、嬉しそうな顔をしなが ら「何が食べたいの?」と返信する。リクエストを受け取 った彼女は、ばかだなあと思いつつも、好きな男の為に揃 えた調味料で夕食の味付けする。
紅緒の部屋には時折、特異錬成術師がふらりと足を運ぶこ とがある。彼女はその度に、普段より甘やかな声で迎え入 れ、夕食を用意していた。その日はハロウィンにあわせて 注文していた衣装が届いておりーー少しだけ、魔が差し た。彼女は男から受け取ったメッセージを眺めつつ、少し だけ浮かれて衣装を袖に通し始める。そして、来客の通知 音が鳴った後、彼女はいつも通りに平静を装って、ぐいぐ いと攻めていく。彼女は普段、男が面倒くさくならないよ うにアピールは控えめにしている。しかし、彼が部屋に訪 れるときだけは、少しだけ積極的になった。
可愛らしい人と評価されたことは、紅緒にとって初めての ことだった。ハロウィンの夜、非番を喜びながら特異錬成 術師とデートをしていると、驚き目を剥いた友人たちは口 を揃えて「いつもと違う」と語る。狼の仮装に身を包んだ 彼女は飄々と友人たちの追及をかわしつつ、それでも男の 腕だけは強く抱き締めて微笑を浮かべる。内心では、恋を して浮かれる自分の変化に戸惑い、諦め、ばかだなぁと溜 息を吐いているのだが、友人たちがそれに気づくことはな い。甘く、恋に浮かれている彼女の姿を知るのは、彼女が 恋をする男の特権なのだ。
未来を諦めていた紅緒が、自らの運命を託し、未来を見据 え望む誇りと決意……そして特異錬成術師への確かな恋心 を抱いて、自らが定めた"終わり"を超えた姿。かつて自ら の占いによって終わりの未来を見た紅緒だったが、特異錬 成術師と運命を超えた今、彼女の胸に一点の諦めもなく、 その炎は消えぬ灯火となり、彼女と周囲の大切な人たちの 行く先を示す続けるだろう。
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