※LBゲージの数値についてはFAQをご覧ください。
※同じタイプでも多少の誤差があるようなので参考程度に留めておいて下さい(要検証) ※Lv1の数値は全タイプ共通です。 ※ステータス値を記載、コメントしてくださる方はステータス上昇系のマテリアを外した値を記載するようお願いします。
※ネタバレ注意
寂静都市において、悪と分類される行為は日常的なものだっ た。治安という言葉はなく、それぞれが生きるために誰か の命を踏み台にする。そんなおぞましい街の領主がなにか の気まぐれで”作った”娘――それがアンナだった。毒蛇の 子は毒蛇、毒沼の底に棲むのはそれに相応しい醜悪な怪 物。だから自分もまた、おぞましい人間なのだろう。光当 たる場所など相応しくない、輝かしい明日などあるわけが ない……アンナはそんな諦観に染まっていた。けれど、多 くの苦悶を乗り越えて、強引な手で毒沼の底から引き揚げ られた今、彼女の胸には――……。
タナトスに攫われたアンナは洗脳を受けながらも、己の『 終わり』を望んでいた。けれど、それを許さずに強引に自身 を救い出した艶光寺麗香たちのもとで今も生きている。な ぜ自分は生きているのか、明確な理由も見つけられず漫然 と過ごす。そんな中で。、麗香に紹介された特異体質者たち を収容した特殊管理病棟の警備任務の最中、自由を奪われ 抑圧されているはずの患者たちの純粋な笑顔を見る。それ は『彼』が訪れたからこその笑顔で――麗香と共に自分を 救い出した『彼』を自分は今どのように感じているのか、 ふと考えてみるが、答えは出なかった。
飼い犬のように餌だけ貰って生きるのは屈辱だと、アンナ は自分の身元保証人である艶光寺麗香に特殊管理病棟の警 護任務を紹介された。他者のエナジーを分解する特殊エナ ジーを自分が扱うように、様々で、かつ日常生活に支障を きたすような特異能力を有した患者が収容された施設で、 アンナは己のエナジーを腐壊させる力に感謝の言葉を向け られた。なぜなら、アンナのエナジーに満ちた空間ではど んな特異エナジーでも弱化するから。気づけば、アンナが 警護にあたる時間帯には、彼女の周りに安息を求め多くの 患者が集まるようになっていた。
おぞましい血を宿し生まれ落ち、タナトスに攫われて身体 を弄られ、それでもなお自分が生きていることはアンナに とって望まぬ奇跡だった。この魂が孕んだ悪意が花開いて 醜悪な腐臭を放つ――そんな未来をなによりも恐れ、その 前に終わりたいと願ったはずなのに。今は時折、微かにで はあるけれど日々の中で口元が緩みそうになる瞬間すらあ って――それをどう受け止めればいいのかが分からず、深 い夜を独りさ迷い歩いて考える。そんな時、決まって『彼 』が現れ、傍らに言葉なく寄り添ってくる。鬱陶しいと、 彼女は毎回のように悪態をつくのだった。
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