※LBゲージの数値についてはFAQをご覧ください。
※同じタイプでも多少の誤差があるようなので参考程度に留めておいて下さい(要検証) ※Lv1の数値は全タイプ共通です。 ※ステータス値を記載、コメントしてくださる方はステータス上昇系のマテリアを外した値を記載するようお願いします。
※ネタバレ注意
ピクニックの前日。エリスは保護者として登録された黒天 使(ぴこ)に着せ替えられ、麻衣と奉花にこれでもかと甘 やかされ、鏡の中で着飾った自分の姿をぼんやりと見つめ ていた。飴を舐めるほっぺたは丸く膨らみ、虚ろな瞳は背 中越しにぴこの自信たっぷりな笑顔を見つけ、唇をむずむ ずとさせる……エリスはその日、珍しく自分で帽子を選ぶ と、熱くなった頬を隠して部屋に閉じ籠った。そして、都 市間戦争で生み出された狂気の生物兵器『キメラの壱番』 は、初夏の日の陽炎の中で新生し、幼天使(ろりぃたえん じぇる)として自然保護地区に降臨する。
最近のエリスは、マルチビタミンサプリメントさんには遠 く及ばないものの、ビタミンAさんくらいには成れるので はないかと期待しています。目的が生じたのです。ぴこが 助けきれないと言った孤児たちを、エリスがお助けしよう と……多くの孤児が死んだあの都市で、その為に、エリス だけが選ばれたのなら、納得が出来ると思ったのです。し かし、キメラの壱番に、人間さんを救済する機能はありま せん。エリスだけが、それを為すために成長を望むので す。エリスは、ぴこみたいになれるでしょうか。あの人み たいに、格好良い大人に、なれるでしょうか。
昏く汚いことをするエリスを、ぴこは許容しました。た だ、信念と自覚をもって挑めと言われるだけです。決して 自分が選ばれた意味を見失わず、救われた意味を探究し続 け、望む未来を思い描いていろと、言われました。ぴこ は、エリスに難しいことを言います。夢物語のような理想 を全て叶えろと、偉そうに命令するのです。面倒さんです ね。でも、ぴこは全部やってるから、言い訳するとほっぺ たをむぃむぃされます。何故でしょうか、エリスはぴこに むぃむぃされるのが、実は嫌いではありません。もしかし たら、マゾヒストさんでしょうか?
エリスはぴことみっつの約束をしました。ひとつ目は、天 鳴都市で救えなかった一人の少女の命を背負うこと。ふた つ目は、いつかスラムから救えるだけの孤児を救うこと。 みっつ目は、終わりかけた心臓が果てるときも、決して諦 めないこと――ドナーパートナーとして登録されたぴこの 臓器を、必ず継承することを約束しました。その日、エリ スはなぜか涙が止まりませんでした。ベッドの中で、母親 のような人の身体をずっと抱き締めていました。きっと、 兵器には在る筈のない感傷が芽生えていたと思います…… なんで、ずっと生きていてくれないの?
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