※LBゲージの数値についてはFAQをご覧ください。
※同じタイプでも多少の誤差があるようなので参考程度に留めておいて下さい(要検証) ※Lv1の数値は全タイプ共通です。 ※ステータス値を記載、コメントしてくださる方はステータス上昇系のマテリアを外した値を記載するようお願いします。
※ネタバレ注意
セレーネにとって、目覚めは希望と共に恐怖を伴うものになっていた。 一人の男性との出会いから、自身が人間であることの確信を得たからこそ、『グリモア』によって奪われる記憶や感情が大切なものへと変質していく。 ホワイトデーを目前に控えたある日、タナトスの襲撃を一人で迎撃した彼女は自室で朝日を望む。 特異錬成術師への好意を失った心はひたすらに空虚で、 鏡の中で自分の瞳が濡れるのを彼女は不思議そうに見つめていた。 そして、穴を開いた心に、女性の声が響く--『あの男とキスする度にひとつ、返してあげる』
私は思考する--エナジーが足りない。 摂理を歪め、道具を汚染するだけのモノではない。あの男がこの個体を想い、与える『純化されたエナジー』だ。 この個体があの男にとって無価値になったわけではないことは分かっている。この個体の精神的な成長が、あの男の庇護を必要としなくなったが理由だろう。 ならば、機会を与えなければならない。 副次的に効果として『優先順位』が上がるのなら、私にもこの個体にも悪い話ではない。 私は結論し、行動を開始する--汚染により失われるはずだったこの個体の『恋』を消さぬよう、私の中で守りながら。
私は思考する――私の目論見は期待以上の成果を見せている。 『男は逃げる女を追うものだ』とは、人の作り出したマニュアルも存外悪いものではない。 しかし、セレーネ……この個体が行為に羞恥し、あの男から逃げ出してしまった。 類似した事例は過去にも存在したが、返すべき『恋』は半分以上も残っているのに、想定よりも早い段階で混乱が起きている。 保護という形で奪った『恋』を保持するリソースは少なくない負荷を私に与えているというのに…… セレーネ、それほどまでに大切な気持ちなら私に守らせず、キスくらい何度でもしてみせろ。
私は困惑する――全ての『恋』が返還されたというのに、あの男は出会う度にこの個体へキスをしている。 契約以上の支払いに、私は不快感を抱いていた。エナジーを通して感じられる感情は『悲哀と恐怖』だ。 不味くて、不味くて、かなわない。私が欲するエナジーパターンはそれではないのだ。 故に、過剰に与えられたエナジーは、この個体の調整に利用する。 破損した魂の修繕など、同化した身にかかれば容易い―― だからセレーネ、感謝などという見当違いなものを私に捧げるな。 私は契約を重んじることを美学としている。それだけに過ぎないのだから。
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