※LBゲージの数値についてはFAQをご覧ください。
※同じタイプでも多少の誤差があるようなので参考程度に留めておいて下さい(要検証) ※Lv1の数値は全タイプ共通です。 ※ステータス値を記載、コメントしてくださる方はステータス上昇系のマテリアを外した値を記載するようお願いします。
※ネタバレ注意
ある夏の日。プールの水面に浮かびながら、メルは初恋の 人に視線を送る。初めての唇を奪われ、身も心も、魂すら も奉げた相手の名を呼びながら、彼女は抱擁をねだり、浮 き輪の上でゆっくりと手を広げる。そして、彼女は抱き締 められた胸の中で笑い、胸板をくすぐりながら、深く息を 吐いて目を閉じる。この人を守る為なら、怯えずに戦うこ とが出来る。全てを失い、誰も守れなかった過去に怯える 『泣き虫』は、愛から育った勇気を胸に、戦う為のエナジ ーをキスによって受け取る。大切なものを護るために戦う ことを、彼女はもう怖れない。
開放都市がタナトスの侵攻を受けた日。メルは愛する領民 が絶滅する光景を見つめ続けた。足は震え、手に力は入ら ず、ただ涙を流すことしかできなかった。最期になってよ うやく、たった一人の妹を護るために立ち上がり、それで もなお無残に討たれた臆病な英雄。彼女は、救出された今 も戦うことに怯えている。願わくば、愛しい人と穏やかに 過ごせる日々を……メルが望むことは、ただ生きることだ けだった。彼女が恋をして、魂を奉げた男の優しい命令が 下るまでは――『フュル・フュールは怖れない』
サタナキアの貴族であるメルの納めていた領地は、神への 信仰を競う戦争に参加しない中立の地だった。剣を鋤に打 ち直し、槍を鎌とする……臆病者の道化伯爵と呼ばれた両 親を、メルは心から尊敬している。領地で共に笑い合った 民を心から愛している。だからこそ、メルは失われた誇り の地を想い、現在の開放都市に背を向ける。取り戻せるも のは何ひとつ無く、細い自分の腕は誰も守れなかった弱い 手なのだと……妹から向けられる尊敬や期待に目を伏せた 彼女は、愛しい男に手を伸ばす――失われた力と、再起す る勇気を求めて。
タナトスによって魂を五つに千切られた日、メルは耐えが たい痛みと共に、貴族としての矜持を折り砕かれた。しか し、タナトスに鹵獲された数十年の内に育った妹が故郷の 為に戦う姿に、彼女は再び顔を上げる。揺籃の地を護る『 優しき道化伯爵』は此処に蘇り、大切な人の為に鎌を手に する。守るべきものを背にしたメルは笑顔の下で泣きじゃ くり、悲鳴を上げながらも、震える足は後に引かず――か つて、親友である魔剣狼侯爵と並び立つと謳われた在りし 日の英雄の力は、失われた誇りを体現する。
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