天穹ノ彼方の錬星郷「ソラカナ」攻略まとめ Wiki

白煌都市において、王と呼ばれる最高権力者に次いで大き
な力を持つ三大貴族のひとつ、ラスティハート家に生まれ
た聖良は、貴族として、民を支える役割を持つ者として、
正しく育った。それは白煌都市の実態からすれば、正し"
過ぎる"ほどで……例えるならば、黒い鳥の群れに混じっ
た純白の羽をもつ鳥のように、彼女の正しさは腐敗が進む
街において異様であり、そして故に排撃の対象になった。
傷つき折れかけた翼で辿り着いたアルケミーで過ごす日々
の中、彼女は自分の行く道を改めて見直していた。

人は獣ではなく、爪と牙などではなく、言葉をもって分か
り合えるはず。あまりにも清廉で真っすぐな聖良の想い
は、道理も条理も"力"で捻じ曲げるこの世界ではあまりに
も弱々しい光だった。そして、そんな光に惹かれ集った者
たち諸共、悲劇の渦へ飲み込まれてしまった。失ってしま
ったから、もう二度と失いたくなどないから、恐ろしいか
ら――だからこんな現実にも打ち勝てるだけの"力"が欲し
い。そんな理想と現実の狭間で揺れる彼女は知る。自分
と、そして自分の大切な人たちが灯した光は、まだ白煌に
残っていると。

公的に抹消された白煌都市の、特権階級に対する平民によ
る蜂起事件。聖良が紡ぎたかったはずの言葉と祈りによっ
て導かれるはずだった未来は、そこで破綻した。大切な友
の命とともに……そのはずだった。『セリナ協会』――白
煌都市において対話によって身分違いの者たちの格差を埋
め、歩み寄ろうとする者たちの集い。事件後、白煌都市を
後にした聖良の知らなかった友の名を冠する組織の存在
に、聖良は自分たちの行いが今この瞬間まで続いていたの
だと心を震わせた。そして、願う。今度こそその光が、こ
の現実に打ち勝つように、と。

アルケミーで多くの人と出会い、白煌都市に僅かに灯る尊
い意思を知り、聖良は己が道を見つめなおす。『もういい
』――大切な人たちが口にした言葉が蘇る。かつて自身の
理想が友の命を散らしてしまったのは、守るだけの力がな
かったから。今、傍にいる友の命をつなぎ留められたの
は、守るための力を選んだから。理想を理想としてある。
けれど事実として、力があってようやく守れたものもあ
る。"どちらも"なんて選べるほど自分は器用ではなくて…
…でも、理想を継いでくれる人たちがいるのならば、もは
や聖良に迷うことはない。