※LBゲージの数値についてはFAQをご覧ください。
※同じタイプでも多少の誤差があるようなので参考程度に留めておいて下さい(要検証) ※Lv1の数値は全タイプ共通です。 ※ステータス値を記載、コメントしてくださる方はステータス上昇系のマテリアを外した値を記載するようお願いします。
※ネタバレ注意
元老院直属の戦闘部隊『四瑞』として、辰祁はこれまで全 身全霊を尽くしてきた。そこに怠慢などなく、妥協などな く、あらゆる障害を貫き歩み続けてきた。そんな彼女の記 憶にクリスマスのような催し事を楽しんだ記憶は殆どな い。どうにか思い出してみれば、それは遥かな昔、自分に とってすべての始まりである、小さな村落でのことだっ た。日々を過ごすことすらままならない生活苦の中、子供 だった自分のために開かれた小さなパーティー。過去を懐 かしむことなど何十年ぶりかと、辰祁は自分の心の動きに わずかに驚く。
歴史の裏側の、あらゆる節目に立ち会ってきた『四瑞』が 筆頭代理、『応龍』。そんな彼女に気軽に声をかけられる 存在など、そうはいない。彼女は全ての人間の輝きを信じ ているし、愛している、敬いは尽きず期待は果てない。そ の想いはあまりに重く、だからこそ、近づき押し潰される ことを本能的に恐れてしまう。そんな彼女に軽々しく声を かけ、あまつさえクリスマスを共にしようとする人間など 正気の沙汰ではない。辰祁の同胞たる『麒麟』と『鳳凰』 は、そう表情を引きつらせる。
クリスマスを近くに控え辰祁は懊悩していた。いかなる時 も迷うことなく突き進んできた彼女の、本来あるはずのな い心の動き。その理由はとある招待にあった。『クリスマ スを共に過ごそう』――果たしてそれは、どのような作法 があり、どのような心構えで挑むべきことなのか。強大す ぎる力と心は長い時間の中で彼女を孤絶させた。楽しい催 し事の場でどのように振舞えばいいかなど知らない。難し い顔をする彼女を見て、一体どんな問題が起きているの か、あるいは起きてしまうのかと同じ『四瑞』たる『麒麟 』と『鳳凰』は戦々恐々とするのだった。
『四瑞』が『応龍』。彼女の歩んできた道は、輝きの残光 に満ちている。お前の輝きはこんなものではないはずだか ら、お前の光をこの瞳に焼き付けれ(ママ)欲しいから――そうし て、多くの光が刹那の瞬きと共に散っていった。未だ、辰 祁の魂を焼き焦がすほどの輝きはないが、それに彼女は失 望も絶望もしない。いつか必ず誰かの光が自分を塗り潰す ほどの強さと美しさを見せてくれると信じているから。あ るいは、自分すら抱え込もうとする、今はまだ可能性でし かない『英雄』こそが――そんな彼女の期待は、雪のよう に降り積もる。
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