天穹ノ彼方の錬星郷「ソラカナ」攻略まとめ Wiki

錬成術師登録名『リノ・ヴェロス』。
幼い頃から錬成術の才能に溢れていたリノは、大勢の錬成術師を輩出してきた叔父の元で教育を受けた。
恩師である叔父は何事にも全力で取り組む性格で、手抜きや手加減と言った言葉を知らない。
彼を尊敬していたリノも、同じような生真面目で頑固な性格に育つ。
しかし、リノが恩師の元を出て錬成術師として活動し始めた頃、
傭兵組織クルーエル『見聞の矢』部隊長が彼のことを殺してしまう。
それ以来、『先生』の仇として『彼女』を恨んでおり、リノは彼女を追ってアルケミーにやってきた。

戦闘面は優秀なリノだが、日常においてはその限りではなく、家事は下手で方向音痴……
意地っ張りな面もあり、途中で変だと気付いても、失敗を素直に認められずドツボにハマってしまうことが多い。
アルケニーに来てからは先生の形見である『弾丸のアクセサリー』を心の支えにして過ごしていたのだが――
彼女はある日、先生と、先生の元で一緒に育った仲間の暗い噂を耳にする。
周囲の者がその情報を信じたとしても、彼らとの優しい思い出を大切にしている彼女は頑なに否定し続けた。

先生や旧友の暗い噂が広がっていく。
先生を信じるリノは、彼らを貶す存在を絶対に認めることができない。
彼女は日に日に周囲の人間への拒絶を強め、先生との思い出を否定する相手から逃げ出すようになった。
先生の黒い噂が絶えず耳朶を掠めていく毎日の中、
リノの胸の底からは行き場にない怒りと憎しみがこみあげる。
先生の形見を握りしめて心を落ち着かせようとするが、周囲の心無い噂話や態度は、
取返しがつかないほどに彼女の心を蝕んでいく。

『先生』の悪評は、半ば事実であるかのように人々の間で囁かれていた。
そんな噂を否定し続けるうち、『思い出』と『現実』の先生の姿が乖離していく。
彼女にとっての恩師は理想であり、尊敬すべき存在であったが、
現実に生きる彼は不幸を生み出す悪人であり――彼女は必死に噂を、現実を否定する。
しかし、どれだけ言い訳で飾り立てようとも、『現実』は『思い出』を今にも塗りつぶしてしまいそうで……
理想がひび割れる音を聞きながら、リノは銃口をこめかみに当てる。
この記憶がなくなってしまえば、『理想の先生』の存在は守られるのだろうか、と。