※LBゲージの数値についてはFAQをご覧ください。
※同じタイプでも成長後の数値は多少の差があるので参考程度に留めておいて下さい ※Lv1の数値は全タイプ共通です。 ※ステータス値を記載、コメントしてくださる方はステータス上昇系のマテリアを外した値を記載するようお願いします。
※ネタバレ注意
休暇の折に、至代は初めてアルケミーの外部への出向に許可を与えられる。 幼少の頃は名家の御子として、近年は古式錬成術の研究者として、 それぞれ秘匿された扱いが長く続いていたが故に、彼女が他の空中都市へ足を延ばすのは初めての経験だった。 普段は物静かな彼女ではあるが、今日ばかりは微かに興奮した様子を見せる。 所在なく揺れる手は、誰かに掬い上げられるのを待っている。
秋の紅葉の下を散策する中、ひとつでも多くの思い出を残すべく、至代は結った髪に落ちた葉を大切に仕舞い込む。 決して平穏とは言えない生い立ちから、初めて手にした甘露のようなひと時を胸に、 彼女は少しでも二人きりの時間を引き延ばそうと、歩幅を狭く、ゆるりと歩いている。
幸福なひと時を邪魔する襲撃を前に、至代は紅葉を元に錬成した十文字槍『志那都比売』を手にし、無粋者を端から排除する。 その戦い方には珍しく焦れた様子があり、暮れてゆく日の色に染まった彼女の頬には、寂しげな表情が浮かんでいた。 その心には、小さな子供のような『帰りたくない』という気持ちが生まれている。
持たざる者が小さな幸せを手に入れた時、抑圧された『現状への不満』は暴走する。 一時の自由を得た至代は特異な能力を持つが故に、その影響も大きかった。 溢れ出した激情は瘴気と暴風を巻き起こし、他者を見境なく傷つける。 エナジーが暴走し、急速に異形化が進む中で、悪鬼の腕は自由を掴もうと振るわれるが、 その手が至代の求める『自由』を得ることはなく、残された選択肢は諦めか孤立のみとなった。
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