天穹ノ彼方の錬星郷「ソラカナ」攻略まとめ Wiki

――その日、チャロは黒い衣に身を包み現れた。まるで喪
に服すようなその衣装を、"よそいき"と言う彼女は、ぬく
もりを求めるように『彼』の手を握る。大好きな人と共
に、大好きな優しい神様の願いを叶えるために。『彼』と
出会うまでは、死を招く忌子であり、対人兵器であったチ
ャロは、黒き神からのたったひとつの願いを聞き届け、見
送りに行く。その指先が告げるのは、冷たい終わりなどで
はなく……『おやすみなさい』という安らかな祝福の言葉
なのだから。

ずっと前、この世界にある"優しさのない死"に気づいた人
たちは、さむくなるのがとってもとっても怖かったんだ
ね。この世界の死は安らかではないんだよ。この空の死
は、暗い穴の中で苦しいことが始まる合図でしかなかっ
た。チャロたちは恐ろしくて、神様の名前を呼んだんだ
よ。黒き神チェルノボグイ……それは、そこにいない神様
の名前だった。死が怖くて、恐ろしくて、笑えなくなっち
ゃったチャロたちが想像してつけた、存在しない神様の名
前だった……そんな、誰も来てくれないはずの祈りが届い
たのは、ボグが本当の神様だったからかなー？

ボグは終わってしまった世界からきてくれたんだよ。別の
世界で、たくさんのひとがボグを嫌いって言って追い出し
て、最後には忘れちゃったのにね……ボグは優しいなっ
て、チャロは思うよ。そして、ボグはチャロたちに手を伸
ばしてくれたの。滅ぶ世界ならせめて、死だけは安らかで
あるようにって……でも、最後のボグの優しさを壊してし
まった人がいる。輪廻は壊され、死を汚してしまう人が居
る……チャロは、あの人たちが嫌い。今も失われるだけの
死を抱き締めて笑う人たち……はやく、あの人たちが眠る
日がくればいい。安らかに、苦しみなく……ね？

元来、吾とウェシルは二柱で成り立つ神であった。だが、
死を恐れた盲目なる民は、吾を世界から追放した。それが
どのようなことになったかは、お前ならば知っていよう。
輪廻は歪み、巡るべき魂は零れ落ち、腐使と言う存在に成
り果てた。一方で世界を追われ、名と神格を失っていた吾
は、チャロたちの声を聞いた。死を恐れる声を、『チェル
ノボグイ』という、吾の新たなる名を。なればこそ、眠る
べき者に安らかな眠りを告げよう。それがお前の正してき
た、正統なる輪廻。■■■■■■の欠片よ、『チェルノボ
グイ』の名の元、吾はお前の生を祝福する。