天穹ノ彼方の錬星郷「ソラカナ」攻略まとめ Wiki

練成術師登録名『ニネット・デュ・リール』。白煌都市の
貴族、リール家の一人娘。リール家は貴族制度を採用して
いる白煌内では珍しい、市民の生活に対する保護を訴える
貴族である。しかし、未だ大多数の貴族は自らの生活や特
権を守るために、その提案に耳を貸さずにいる。そのよう
な提案を行う両親によって育てられたニネットも、幼い頃
から貴族制度の在り様に疑問を抱いていた。また、ニネッ
トは小柄な外見とは裏腹に行動力に溢れており、今回のア
ルケミーへの一時移籍も、発端は彼女自身の『家出』によ
るものであった。

リール家は、代々民の暮らしを慮ってきた家系である。そ
して同時に、貴族内ではその理念を『変わり者』と言われ
る家系でもあった。貴族とは民を導き、民の暮らしをより
よいものへと導いていくべき存在であると、ニネットも幼
い頃より両親から言い聞かせられていた。そして、そのよ
うな両親による教育によって、ニネット自身も、現在の貴
族の在り方を疑問視するようになっていた。それとほぼ同
時期に、民が貴族によって処刑される事件が起こる。その
裏には、民から『聖女』と呼ばれていた三大貴族の公女の
姿があった。

白煌都市からニネットが『家出』をしてきた理由、それは
『貴族たちの在り方を変えたい』という純粋なる願いから
だった。代々貴族の在り様を正そうとしてきたリール家だ
ったが、歴史の浅い弱小貴族の理想では、『王』やそれに
続く『三大貴族』、そして大多数の貴族を変えることはで
きないままだった。だからこそ、その悲願を果たすため
に、ニネットは白煌、そしてリール家という鳥籠から巣立
つことを決める。そんな時、彼女のもとへ、貴族制度の廃
止を願う友人の、アルケミーへの貸与が正式に決定したと
いう知らせが届いた。

貴族とは、弱き民を導く責務を負った者たちである――リ
ール家の教えは、ニネットの魂に深く刻み込まれている。
だが、浸食症状はニネットの願いを変容させていく。過
去、『聖女』の存在を発端とした悲劇。それは、改革とい
う大なる願いのための犠牲を払うことを厭ったから――ニ
ネットはそう考えるようになる。大義のためならば犠牲を
払っても構わない、むしろ犠牲を払ってでもやり遂げるべ
きが大義なのだという強迫観念と、彼女自身の想い。その
狭間で身動きの取れなくなった幼い貴き心は、やがて為す
術もないままに圧し潰されることになるだろう。