天穹ノ彼方の錬星郷「ソラカナ」攻略まとめ Wiki

白煌都市からやってきた秘蔵の錬成術師。
――都市の威信を示す為、勝利を強く望まれた彼女にとっての鍛錬は生活の一部で、楽しみは時折差し入れられるスイーツくらいだった。
そんな日々を送ってきた彼女にとって、クリスマスを楽しんで過ごすというのは、想像すらしたことのない、初めての経験だった。
過去の彼女であれば、児戯を鼻で笑っただろう。
しかし、今の彼女は、戸惑いながらも確かに、その目に期待を込めて輝かせている。

楽しいクリスマス。ノアにとっては、それは初めての経験だった。
勝てなければ意味がない、戦わなければ価値がない……ずっと、そんな思いに縛りつけられて生きてきた。
けれど、かけがえのない出会いが彼女に教えてくれた。戦いだけが全てなどではないと。
だから、これは最初の一歩。
クリスマスを、ただ純粋に楽しむ。
そんな簡単で、とても難しい、自分が変わっていくための一歩。

ベルの音が鳴り響く聖なる夜。
サンタクロースに扮したノアは、子供たちにプレゼントを配る。
戦いしか知らなかった手が、子供たちに笑顔を咲かせる。
純粋な笑顔が彼女に求めたのは『比類なき力』ではなく『ありふれた優しさ』だった。
その光景に、彼女の胸は喜びに震えた。
その瞬間、ノアの心に一つの『価値』が生まれる。
どうしようもないくらいに純粋で、無垢な少女のまま、勝利のみを求められてきた……
そんな彼女は、やっと自分が定めた価値を見つけ出し、強く心に刻み込む。

輝ける宝石であれ。
『敗北』という傷は許されない。
彼女は常に大人たちから願われ続けてきた。
しかし、あまりに美しい宝石は、見る者に触れることすら躊躇させる。
ノアは、そんな存在になりたいと望まなかった。
雪の冷たさも感じないほどの優しさを手放すくらいなら、屑石だって構わない。
戦いの日々を重ねる内にそんな想いを抱いた彼女だからこそ、その心は宝石以上の光を放つ。
夜空に瞬く星屑とて、己のみで輝いているわけではない。
大切な存在に照らされてた今、屑石は星屑に変わる。