天穹ノ彼方の錬星郷「ソラカナ」攻略まとめ Wiki

悠久都市に古来より伝わる醸造酒『セイシュ』は紅緒にと
って命の水である。『占術』を行使する人間はアルコール
や薬物により意識を薄め、現在から外れた時間軸を観測す
ることが出来ると伝えられているが、『セイシュ』を嗜む
のは彼女の嗜好によるものであり、占いとはあまり関係が
ない。

希望に満ちた未来を神事、紅緒は一時の平穏を享受する。
彼女にとっての未来は『価値のある犠牲』に他ならない
が、『現在』についてはこの上ない幸せを感じている。
隣には心を許した男が居て、微笑みを返す自分が寄り添っ
ている。澄み渡る空の下、遊興の都市を歩く彼女の足取り
は軽く、霧のかかった未来は澄んで見えた。そのとき、彼
女は目にする……幸せな未来と、そこに立つ朧げな自分の
姿を――

アルコールと高体温によるトランス状態に陥った際に、紅
緒は己が存在する未来を知った。その瞬間、淡い思いは確
かな形を持ち、酩酊が情愛に熱を灯す。彼女の錬成する火
炎放射器『ヴォルスパー』は紅緒が生み出した未来への希
望を熱に変え、彼女の未来を阻む者を万物悉く焼き尽く
す。

自分が存在する未来――それは欲に溺れ、他者を犠牲にし
た上で成り立つものだった。躊躇なきエナジーの行使によ
り侵食された彼女の心は自戒を胸に抱き、もう一度、自ら
の命を燃やし尽くす覚悟を決める。それにより未来は修正
され『本当に望む未来』へと繋がった。彼女は今、情欲と
いう名の不純物を謳歌し、未練を焼き払う。せめて今だけ
は、愛する人との時間を楽しもうと……。