天穹ノ彼方の錬星郷「ソラカナ」攻略まとめ Wiki

特殊錬成体『ハエバル・マイカ』。突如として生存不可空
域から降下してきた、200年前に建造されたと推測されて
いる所属・正体不明の都市で発見された■■の影響を受け
た南風原舞歌から生み出された絶望の可能性にして、彼女
にとっての最悪の結末のひとつ。ありとあらゆるものに飢
え、ありとあらゆるものを喰らいつくす飢餓の化身。決し
て満たされぬことのない欲望は理も、あるいはそれに反逆
する存在にすら牙を剥く。■■の影響を受けたことで■■
の片鱗を獲得しており、その実力は底知れない。

いつか、どこかで、ひとりの少女が慟哭していた。彼女は
ただ日常を愛し、大切なひとたちと笑顔でいたかっただけ
なのに、その未来は許されなかった。日常のための戦いの
道を選んだ彼女の魂は蝕まれ、人としての大切な心を失っ
ていく。誰かと共にかこむ食卓の楽しさを失い、誰かと共
に過ごし感じる喜びを失い、日常への愛を失った。かけが
えのないものが欠け落ちた彼女は、その胸の穴を埋める"
なにか"を必死に探す。それでも決して、欠片を埋める"な
にか"は見つからず……その代わりになるものを探すた
め、彼女は彷徨い始めた。

ふと、彼女は飢えにも似た感覚に襲われる。胸にぽっかり
と穴の開いた感覚があって……どうにかそれを埋めなくて
はという焦燥感だけが、彼女を突き動かした。求め、ただ
求め、ひたすらに求め続けた。自分を満たしてくれる"な
にか"を。その飢えを満たしたいがために、彼女は全てを
奪い、喰い尽くす。自分にとってのかけがえのない人の命
を奪う悲しみも、あるいは他者から降り注ぐ憎悪ですら、
その胸の欠落を埋めることはできない。気づけば彼女の世
界から、価値のあるものは全て失われていた

奪った。喰らった。彼女は自分の胸に空いた穴を埋めるた
めに、世界のありとあらゆるものを求めた。しかし、どん
なものであっても、彼女を満たすことは無い。己の欲を満
たすために猛威を振るう彼女には人々の憎悪や嫌悪、害意
が降り注いだが、彼女はそんな人の感情すらもひと呑みに
しながらも、飢えたまま彷徨い続けた。本来、彼女を満た
していたものとは気づけばそこにあるありふれた日常であ
り、求めれば求めるほどに彼女はそこから遠ざかってい
く。そんな簡単なことにも気づけないままに世界の全てを
喰い尽くし――彼女は天を堕とした。