※LBゲージの数値についてはFAQをご覧ください。
※同じタイプでも多少の誤差があるので参考程度に留めておいて下さい。 ※Lv1の数値は全タイプ共通です。 ※ステータス値を記載、コメントしてくださる方はステータス上昇系のマテリアを外した値を記載するようお願いします。
※ネタバレ注意
没落し元老院の席次を失った艶光寺、その最後の生き残り である麗香の双肩にのしかかる重みは、一族が繋いできた 誇りであり、彼女自身が己に科した誓いである。十年前の 大襲撃で自分以外の血縁が絶えたと知った時、彼女の脳裏 をよぎったのは、自分を落ちこぼれと見下していた者たち から、もう誇られずに済むのだと言う解放感だった。一瞬 でも誰かが失われたことを喜んでしまった自分の愚かさ を、そして醜さを、麗香は誰よりも知っている。だからこ そ、そんな自分を変えなくてはならない、変えるのだと、 誰にでもなく己に対し麗香は誓った。
理不尽は、この世界を覆っている。それは例えば、幼い子 供が無能と罵られることであったり、あるいは、唐突に何 者かによって多くの命が奪われるようなことであったりす る。いちいち数えれば暇がなく、下にも上にも嫌になるく らいに溢れている。麗香はそれに真っ向から立ち向かう。 世界中の理不尽を覆す――彼女は本気で。その言葉を口に する。誰よりも気高く、艶光寺という誇りの名を背負うに 相応しい自分であるために、向かう困難に恐れることも怯 むこともありはしない。悲しみも苦しみも、その魂が放つ 輝きで焼き払うのだ。
ずっと追いかけている背中がある。その背は遠く、どれだ け手を伸ばしても掠りすらしない。止まれとは、口が裂け ても言えない。『彼女』が傷だらけになりながらも前に進 もうとしていることを、そこに宿る強い意思を、麗香だっ て感じていたから。ライバルとして、幼馴染として、自分 がその歩みを引き留めることなど出来るわけもない。なら ばと麗香も歩みを速めるのだ。『彼女』を駆り立てるもの が一体どんな理不尽であるかは、まだ想像もできないけれ ど……並んで肩を軽く叩きながら励まし合えば、自分たち が負けるはずなどないのだから。
幼い日、初めて『彼女』と出合った瞬間を麗香は今でも鮮 明に思い出せる。同世代の元老院後継者たちと比べられ落 ちこぼれだと誇られる日々の中、一人になりたくて逃げた 先で『彼女』は声をかけてきた。泣いているのかと問わ れ、そんなわけがないと意地になって返した涙目の麗香に 『彼女』は言ったのだ――"強いのね"と。たった、それだ けの言葉。記憶の彼方で輝き続けるその言葉を麗香は反芻 し続ける。自分は強い。誰より強い『彼女』が強いと認め てくれた『艶光寺麗香』は挫けない。でなければ『彼女』 の言葉への裏切ることになるから。
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