※LBゲージの数値についてはFAQをご覧ください。
※同じタイプでも多少の誤差があるようなので参考程度に留めておいて下さい(要検証) ※Lv1の数値は全タイプ共通です。 ※ステータス値を記載、コメントしてくださる方はステータス上昇系のマテリアを外した値を記載するようお願いします。
※ネタバレ注意
彼女は生まれる前から人殺しの道具になることを宿命づけ られてきた。遺伝子操作や胎児の状態から繰り返されてき た肉体の調整により異常な受容体を持ち、能力の反動で幾 度も心臓を潰し、入れ替えてきた。人の扱いではない自分 の境遇をかつての彼女は不幸だとは感じていなかった。そ う言うものとして生まれ、使われる。そもそも、そこに幸 や不幸などというものが介在する余地などなかったから。 けれど彼女は知ってしまった。教えてもらったのだ。どん な闇の底でも笑顔を失わない己が片翼に。人として生き る、その喜びを
能力の酷使により幾度も彼女の心臓は止まり、その度に死 を囀る鳥の声が響く深淵を覗き込んでいた。最初は恐ろし いとは思わなかった。これまでいくつもの命をそこに突き 落として、今が自分の番なのかもしれない。それだけの話 だった。けれど、誰かの笑顔を見たいと、誰かに幸せであ ってほしいと願ったその時から、うぐいすは闇を恐れた。 己の片翼とも呼べる何よりも大切な相棒の笑顔を見れなく なるのは、死の闇などよりもずっと恐ろしいことで、彼女 が空に飛び立つ姿を見届けたいという願いは、彼女に生の 欲望を植え付けた。
人殺しの道具として作られ、いくつもの命を奪い、けれど 自分の命の使い道を償いではなく、大切な片翼と共に自由 な空へと羽ばたくために使いたいと願ううぐいすは、ふと した時に死を囀る鳥の鳴き声を聞く。それは自分を恨み憎 悪する死者の怨嗟でもあって――けれど、うぐいすはその 音に誘われることはない。自分がどれだけ罪深いかは知っ ている。だが、それでも多くを殺してきたのは今この瞬間 のためだから。奪ってきたもの全てが無価値に奪われたわ けではない。それを示すことこそ、今を諦められない彼女 に出来る唯一のことだった。
人殺しを作るための掃きだめで、それでも人間らしさを失 わず笑顔でいた大切な片翼を、いつかちゃんと自由な空へ 羽ばたかせてあげたい。そんな願いを抱いていたうぐいす は、相手も同じように願っていることに気付いていなかっ た。けれど、そんなすれ違いはもうしない。彼女たちは比 翼連理、どんな闇の底からも舞い上がり温もりに包まれた 空をゆくためには、どちらが欠けてもいけない。ならば抱 く罪も、抱える決意も、そして罪への答えも同じ。二度と ほどけぬ強い絆で片翼と片翼を結び付け、彼女たちは春空 を舞う。
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