※LBゲージの数値についてはFAQをご覧ください。
※同じタイプでも多少の誤差があるようなので参考程度に留めておいて下さい(要検証) ※Lv1の数値は全タイプ共通です。 ※ステータス値を記載、コメントしてくださる方はステータス上昇系のマテリアを外した値を記載するようお願いします。
※ネタバレ注意
サタナキア国の天使にして初代法皇であるアザエルは、バ レンタインに少女の装いを以て顕現する。実娘であるリモ ンは自分よりも若々しく清楚で可愛らしい母の姿に愕然と し、嘆きの言葉を絞り出す。『マァマ無理しないで、お願 いだから』。娘の言葉は寒々しく空に消えた。母は可愛ら しく首をかしげ、お腹を痛めて産んだ愛しい娘に微笑みか ける。妹か弟を覚悟しているとよい――アザエルは愛情に 蕩けた甘い声音で娘に宣言すると、手作りのチョコを胸に 抱き、最愛のあるじの元へと歩き出す。その後ろ姿は、恋 する少女(六■歳)にしか見えなかった。
サタナキアの先代国王、アザエルの母親としての能力は高 い。彼女は娘が八歳になるまでは自ら料理の腕を振るうこ とを欠かさず、菓子をねだられれば踏み台を以て宮廷の調 理場に立ち、夜に泣けば気合を込めて仕事を終わらせて添 い寝を慣行する。そんな、溢れんばかりの愛情を以て娘を 育て上げた実績があるが故に、彼女は奇跡を用いずとも、 愛する男への『ほんめいちょこ』を作り上げることが出来 た。残る仕事は愛する娘の『初めての料理』の手伝いだけ ――そして、気づくと彼女は寝ずに朝を迎えていた。その 傍らには、しょんぼりした娘が立っていた。
バレンタインデイ――アザエルは子供のような衣装に一切 の恥じらいを持たず、堂々と街を闊歩していた。彼女は自 分が男に愛されていることを知っており、愛されようと努 力を欠かさず、愛を注ぐことに幸せを見出しているが故 に、男が気に入る衣装に袖を通し、可愛く振舞うことを躊 躇わない。また、彼女は『男には女の母性が必要だ』と考 えているため、労わり、甘やかし、時には叱って伴侶に尽 くそうとする最高のお嫁さん気質だった。甘やかす気しか ないのだ。そんな無敵の母の往く道を、恋愛的弱者である リモンが止めることなど出来はしなかった。
現在、アザエルを封じていた枷は、異世界の穢れを防ぐた めに自らの意志で取り付けられていた。一度は大切なもの を奪われたからこそ、彼女は愛しい男とのひと時を長く楽 しもうと努力を怠らない。侵略の記憶は過去に代わり、今 はただ、守るべき女性として男から愛情を与えられている ことが幸せだった。そして、バレンタイン当日。彼女は愛 の告白と共に、愛する人へチョコを受け渡す。彼の返事は この上なく幸せな言葉で……アザエルは浮かび上がりそう な幸せを抱きつつ――しばしの間、異界の穢れによる『死 を超えた苦痛』を忘れた。
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