※LBゲージの数値についてはFAQをご覧ください。
※同じタイプでも多少の誤差があるようなので参考程度に留めておいて下さい(要検証) ※Lv1の数値は全タイプ共通です。 ※ステータス値を記載、コメントしてくださる方はステータス上昇系のマテリアを外した値を記載するようお願いします。
※ネタバレ注意
過去、聖川祥子は大切なものを多く失った。共に学び研鑽 し合った友人たちも、尊敬し憧れていた先輩たちも……思 い出の中の皆はいつも愛おしくて、だから現実に目を向け るたび、胸が締め付けられるように苦しくなる。酔いつぶ れて突っ伏し眠ったテーブルで、ふと目を覚ました彼女は 空っぽのグラスを見つめて思う。ずっと幸せな夢に溺れて いたいと。同時に、願う。こんな自分のように夢におぼれ るような人は、もう生まれるべきじゃないと――だからと いって、自分なんかに何ができるわけもないと彼女は再び 目をつむる。
錬成術師がある一定の能力を獲得した際に心の深奥から湧 き出すという“言葉”。それがどういった意味を持つのか、 明確な原理や法則は見つかっていない。一部の人間は自己 催眠のようなものであり、自分の本来の能力を引き出すの に役立っていると唱えているが、中には“言葉”がその錬成 術師にとっての世界を表し、そして顕すものなのだとオカ ルトじみた内容を口にする者もいる。だが、どちらにせよ 辛い現実から目をそらし幸せな夢に溺れることを祈る祥子 の“言葉”は、どこまでも報われず救いのない行き止まりで あることに違いはない。
苦しみのない、酔夢の寝殿。どこまでも深く深く、現実か ら遠い場所に築かれた心中の聖域で、祥子は幸福であった 日々を思い返す。残酷な現実に傷つけられてから彼女はず っとそうしてきたし、これからもずっとそうして過ごすつ もりでいた。なのに、光も差さないはずの深い眠りの床 に、優しい温もりが届く。嫌だ、嫌だ、嫌だ――温もりは 目覚めを促すから、そんなものはいらないと必死に拒絶す る気持ちと。一方で、その温もりを待ちわびていた相反す る心。その狭間で、彼女は今にも崩れそうな道化の笑みを 浮かべ続ける。
夢は優しくて、けれど彼女の大切な人達は、いつも彼女を 残酷な現実に引き戻そうとする。手を引かれて、嫌だと駄 々をこね、それでも実はもっと強く引き寄せて、抱きしめ てほしくて……そんなデタラメで複雑に絡まった感情から も、彼女は目をそらす。幸せな夢で苦しみなく閉ざされる のか、残酷な現実で大切な人達との未来へ歩んでいくの か、いつかの未来にそれを選ばなくてはならないと知りな がらも、彼女は決めない、決められない。決めてしまった 時、選ばなかった方を自分で否定することになるのではな いか――そんな迷いに惑って。
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