※LBゲージの数値についてはFAQをご覧ください。
※同じタイプでも多少の誤差があるようなので参考程度に留めておいて下さい(要検証) ※Lv1の数値は全タイプ共通です。 ※ステータス値を記載、コメントしてくださる方はステータス上昇系のマテリアを外した値を記載するようお願いします。
※ネタバレ注意
練成術師登録名『ショウノウ・ヒオリ』。生まれつき、体温が急激に低下し続けると言う奇病に侵されていた。 その病気のせいで生命活動を維持するための装置に身体を繋いでおかなくては生きることが出来ず、生まれた直後から病院生活を余儀なくされた。 家族には荷物扱いされ、大切な人と出会うような時間すら許されず、ただ孤独に死ぬため、生きている。 自分の生に絶望していた彼女を救ったのは、とある医療術者だった。 奇跡のような彼女の腕により、氷織は生まれて始めて、生命維持装置越しではなく、自分の口で息を吸った。
氷織が繋がれていた生命維持装置は薬液を満たすタイプのもので、薬液と水槽の硝子越しに見える病室の天井が彼女にとっての全てだった。 彼女が物心付く頃には、両親は彼女の見舞いにはこなくなっていた。 医療費だけは出してくれている点だけでも感謝すべきなのかもしれないが、感謝すべき相手の顔すら分からない。 装置によって空腹も苦痛も、あるいは満たされることすら知らず、延々と無感の生を強いられる。死を望もうとも、それを伝えることすらできない。 どうして自分は生まれたのか――氷織がその答えを知ったのは、十歳の誕生日のことだった。
ある日ふらりと現れた女性が、氷織を見て笑った。それは興味深い素材を見つけた研究者の笑みであったが、氷織にはそんな理由はわからなかった。 数日後には、女性の手により氷織の症状を抑える薬が生み出された。薬の効力が効いている六時間、一日に三回まで――完治ではない。 けれど、氷織は初めて生命維持装置越しではなく自分の口で息を吸った時、か細い嗚咽を漏らした。 衰えきった肉体には嗚咽ひとつも苦痛として響いたけれど、それすら心地よく……氷織はこの日、この時、ようやくこの世に生まれたのだと、喜びを覚えた。
十歳の頃。当時の元老院第七席黒咲家当主により、幼いころから氷織を苦しめた病を抑える薬品がもたらされた。 さらに一年後には根本治療の術が確立され……けれど、氷織はその治療を受けなかった。 この薬がなければ自分はすぐにでも死ぬ。この薬は黒咲の当主にしか作れない。自分に自由を、この世界で生きる権利を与えてくれたのはあなただから、自分の命はあなたの為に使う。 この病すらも、今はあなたとの絆で、あなたに命を預けているという証明だから、完治なんてさせなくていい――と。その誓いは、決して何があっても変わらない。
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