天穹ノ彼方の錬星郷「ソラカナ」攻略まとめ Wiki

そもそも、無類の旅行好きである紅雪がこの計画に参加し
ないという手はなかった。ひとりの旅行も好きだが、大人
数での旅行もきっと楽しいに違いない。エリスからの誘い
をそのような気楽さで快諾した。自由を好む紅雪は、その
日も遅く起床した。愛用の旅行鞄に適当な荷物を詰め、う
ぐいすとともに出発する。軽い気持ちで同行を決めた旅行
であるが、これから起こるであろう出来事を紅雪はまだ知
らない。紅雪とうぐいすは、仲間との合流を急いだ。

ようやく、紅雪は温泉旅行を謳歌していた。皆で雪見風呂
に入り、地酒を吞む。その一時は、確かに「幸せ」だっ
た。当たり前の筈の「幸せ」だった。暗殺者として過酷な
境遇を生きてきた紅雪には、特別な出来事だったが感傷は
胸に秘める。穏やかな時間が過ぎた。すると、エリスが独
白を始めた。紅雪に出来るのは静かに耳を傾けること。苦
い酒を嚥下しながら、彼女の痛ましい言葉を聞いた。それ
から、紅雪はやさしい軽口を叩く。自分にも幸せをおすそ
分けしてくれたエリスへの感謝と――彼女に笑顔でいてほ
しい想いで饒舌に口が回った。